清い(読み)キヨイ

デジタル大辞泉 「清い」の意味・読み・例文・類語

きよ・い【清い/浄い】

[形][文]きよ・し[ク]
よごれ・にごり・くもりなどがなく美しい。「谷川の―・い流れ」「月が―・く澄み渡る」
心に不純なところがない。清廉潔白である。「―・い関係」「―・き一票」
態度がきっぱりしていさぎよい。思いきりがよい。「―・く別れる」
(「聖い」とも書く)おかしがたい雰囲気である。神聖である。「―・しこの夜」
神奈備の―・き御田屋みたやの垣つ田の」〈・三二二三〉
連用形を副詞的に用いて)残すところのないさま。
「―・う忘れてやみぬる折ぞ多かる」〈・二七六〉
[派生]きよげ[形動]きよさ[名]
[類語]清らか清潔清浄清麗綺麗清澄清冽せいれつ無垢むく純潔潔白けっぱく

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精選版 日本国語大辞典 「清い」の意味・読み・例文・類語

きよ・い【清】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]きよ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. [ 一 ] 物事について、けがれやよごれがなく、美しいさまである。
    1. けがれのないさま。清浄なさま。また、水や月などの澄みわたっているさまをもいう。
      1. [初出の実例]「玉敷ける伎欲吉(キヨキ)(なぎさ)を潮満てば飽かず我行く還(かへ)るさに見む」(出典万葉集(8C後)一五・三七〇六)
      2. 「空きようすみわたれるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)桐壺)
    2. さわやかで、気持のよいさま。
      1. [初出の実例]「川速み 瀬の音そ清寸(きよき) 神さびて 見れば貴く」(出典:万葉集(8C後)六・一〇〇五)
  3. [ 二 ] 心、気持、動機などについて、けがれやよごれがなく、美しいさまである。
    1. 心によこしまな、濁ったところのないさま。公明正大なさま。二心のないさま。忠義なさま。
      1. [初出の実例]「ますらをの 伎欲吉(キヨキ)その名を 古(いにしへ)よ 今の現(をつつ)に 流さへる 祖(おや)の子等そ」(出典:万葉集(8C後)一八・四〇九四)
    2. いさぎよいさま。卑怯でないさま。
      1. [初出の実例]「人手にかからんより、きよき自害してみせ申さん」(出典:曾我物語(南北朝頃)一〇)
  4. [ 三 ] ( 連用形が副詞的に使われて ) 残すところのないさま。
    1. [初出の実例]「つねにおぼえたる事も、また人の問ふに、きよう忘れてやみぬるをりぞ多かる」(出典:枕草子(10C終)二七六)

清いの派生語

きよ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

清いの派生語

きよ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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