渋渋(読み)シブシブ

デジタル大辞泉 「渋渋」の意味・読み・例文・類語

しぶ‐しぶ【渋渋】

[副]気が進まぬまま、しかたなく物事をするさま。嫌々ながら。「渋渋(と)承諾する」
[形動ナリ]に同じ。
わらは―に法師になりにけり」〈宇治拾遺・五〉
[類語]不承不承嫌嫌気が進まない唯唯諾諾諾諾義務的受動的言い成りあなた任せ人任せ・他人任せ・一任成り行き任せ天道任せ運任せ風任せ行き当たりばったり心ならず仕方ない仕方がない仕様がないせん方ない余儀ないよんどころない否応なし已む無いやむを得ずやむを得ないやむにやまれぬ背に腹はかえられない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「渋渋」の意味・読み・例文・類語

しぶ‐しぶ【渋渋】

  1. [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 心がすすまず、いやいやながらするさま。不承不承。
    1. [初出の実例]「御わらうださしいで給へば、いとしふしふにいり給て」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲中)
    2. 「只成れとありければ、童、しふしふに法師になりにけり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)五)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 ( 「と」を伴って用いることもある )
    1. [ 一 ]に同じ。
      1. [初出の実例]「寒渋(シフシフ)と」(出典:四分律行事鈔平安初期点(850頃))
      2. 「のっぴきならぬ義理づめで、しぶしぶ請はうけたれど」(出典:人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)後)
    2. くすんで美しいさま、しぶい感じのさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「はこのさまはくろぬりにて、しぶしぶとぞみえし」(出典:竹むきが記(1349)上)

渋渋の派生語

しぶしぶ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

しぶしぶ‐し【渋渋】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 なめらかでない。
    1. [初出の実例]「唇下り垂れじ、亦、褰り縮れらじ、麁く渋(シフシフ)しからじ」(出典:龍光院本妙法蓮華経平安後期点(1050頃)六)

しぶる‐しぶる【渋渋】

  1. 〘 副詞 〙 いやいやながらするさま。しぶしぶ。
    1. [初出の実例]「しぶるしぶる灌頂の日を定て」(出典:文机談(1283頃)五)

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