余儀無い(読み)ヨギナイ

デジタル大辞泉 「余儀無い」の意味・読み・例文・類語

よぎ‐な・い【余儀無い】

[形][文]よぎな・し[ク]
他になすべき方法がない。やむをえない。「辞任を―・くされる」「―・い事情参加を見合わせる」
異議がない。
「申し上ぐるところの辞儀じんぎ、―・し」〈曽我・二〉
隔て心がない。
「互ひに―・く見えければ」〈浄・二つ腹帯
[類語]唯唯諾諾諾諾義務的受動的しぶしぶ不承不承いやいや気が進まない言い成りあなた任せ人任せ・他人任せ・一任成り行き任せ天道任せ運任せ風任せ行き当たりばったり心ならず仕方ない仕方がない仕様がないせん方ないよんどころない否応なし已む無いやむを得ずやむを得ないやむにやまれぬ背に腹はかえられない

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精選版 日本国語大辞典 「余儀無い」の意味・読み・例文・類語

よぎ‐な・い【余儀無】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]よぎな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 他にとるべき方法がない。やむをえない。よんどころない。
    1. [初出の実例]「然者、自訴之儀承候。尤雖余儀当時無差闕所候」(出典:肥後満願寺文書‐天文一九年(1550)一二月八日・阿蘇惟豊判物)
    2. 「長州藩が京都より退却を余儀なくされたことを思へば」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
  3. 全くその通りで、他に議論の余地がない。その通りで異議がない。
    1. [初出の実例]「申上ところの辞儀、よぎなし。しかれども、忠の者をきりなば、天の照覧もいかが」(出典:曾我物語(南北朝頃)二)
  4. へだて心がない。他の事を考えない。
    1. [初出の実例]「ヤア女房か。半兵衛殿。これ伯母様、扨々と、互に余儀なく見えければ」(出典:浄瑠璃・心中二つ腹帯(1722)二)

余儀無いの派生語

よぎな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

余儀無いの派生語

よぎな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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