否応無し(読み)いやおうなし

精選版 日本国語大辞典 「否応無し」の意味・読み・例文・類語

いやおう【否応】 無(な)

いやといおうがよいといおうが、それにかかわりなく。文句を言わせないさま。
※浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(1712頃)上「さすがおなじみの喜左衛門、いやおふなしの御出
[語誌]上代にこれと同等の機能を果たす表現には「いな」(否定・不承諾)「を(お)」(肯定・承諾)を重ねた表現で「いなもを(お)も」「いなを(お)かも」があった。「いや」は中世頃から現われて、その後「いな」との交代を進め、それに伴い「いやがおうでも」「いやでもおうでも」の成句表現が、やはり中世あたりから見られるようになる。

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デジタル大辞泉 「否応無し」の意味・読み・例文・類語

否応いやおう

承知不承知もないようす。有無を言わせないようす。「否応無しに連れ出す」
[類語]唯唯諾諾諾諾義務的受動的しぶしぶ不承不承いやいや気が進まない言い成りあなた任せ人任せ・他人任せ・一任成り行き任せ天道任せ運任せ風任せ行き当たりばったり心ならず仕方ない仕方がない仕様がないせん方ない余儀ないよんどころない已む無いやむを得ずやむを得ないやむにやまれぬ背に腹はかえられない無理遣り無理強いて敢えて努めてできるだけ極力必ずきっと絶対是非何としてもどうしても何がなんでも是が非でも押してたってくれぐれも願わくはなにとぞなんとかまげてひとつ必死誓っててっきり違いないはず決まってすなわち否が応でも否でも応でもいやでもいやとも是非とも無理算段無理無体無理押し無理強制的強引強気強行独断独断的理不尽強硬頑強問答無用強要力尽く力任せ腕尽くごり押し断固一刀両断横柄威圧的頑として横紙破り横紙を破る有無を言わせず腕力に訴える横車を押す押し付けがましいねじ伏せる首に縄を付ける遠慮会釈もない遠慮高圧的高飛車頭ごなし押し通す押し付ける一方的豪腕

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