心ならず(読み)ココロナラズ

デジタル大辞泉 「心ならず」の意味・読み・例文・類語

こころ‐なら◦ず【心ならず】

[連語]
1 自分の本心ではないのだが。不本意ながら。「―◦ず大役を引き受けるはめになった」
2 思いどおりにならない。
「はかなさを恨みもはてじ桜花うき世はたれも―◦ねば」〈千載・雑中〉
3 気が気でない。
「せがれがそのやうな目にあひはせぬかと―◦ず」〈伎・四谷怪談〉
4 意識しない。われ知らず。
「子の命をかなしみて、―◦ずに母走りむかひ」〈曽我・七〉
[類語]唯唯諾諾・諾諾・義務的・受動的・しぶしぶ・不承不承・いやいや・気が進まない・言い成り・あなた任せ・人任せ・他人任せ・一任・成り行き任せ・天道任せ・運任せ・風任せ・行き当たりばったり・仕方ない・仕方がない・仕様がない・せん方ない・余儀ない・よんどころない・否応なし・已む無い・やむを得ず・やむを得ない・やむにやまれぬ・背に腹はかえられない・えんやらやっと・やっとのことで・どうにかこうにか・どうにか・やっと・ようやく・何とか・かろうじて・からくも・危うく・すんでのところ・間一髪・危なく・すんでのこと・すんでに・あわや・九死に一生を得る・すれすれ・ようよう・ようやっと・どうかこうか・かつがつ・どうやらこうやら・曲がりなりにも・まあ・まあまあ・よっぽど・かなり・なかなか・わりあい・わりかた・わりかし・割に・比較的・まずまず・かすかす・どうやら・なんとかかんとか・そこそこ・それなり・増し・次善・可・セカンドベスト・ベター・及第・無難・ほどほど・捨てたものではない・満更まんざらでもない・まだしも・まだ・未いまだし・未いまだ・不徹底・不十分・及ばずながら・不全・不完全・どうなりこうなり・一応・急場しのぎ・当座しのぎ・一時しのぎ・その場しのぎ・最早もはや・畢竟ひっきょう・結局・やはり・所詮・どの道・いずれにしても・結句・遂に・とどのつまり・詰まるところ・帰するところ・詮ずるところ・要するに・いずれ・どうせ・つまり・とうとう・いよいよ・挙げ句・挙げ句の果て・差し詰め・究竟きゅうきょう・果ては・何と言っても・どっち道・とにかく・何しろ・何せ・何分なにぶん・何分なにぶんにも・なんにせよ・ともかく・ともかくも・ともあれ・とまれ・とにもかくにも・それはともあれ・遅かれ早かれ・善かれ悪しかれ・遅ればせ・思い通り・やっとこさ・やっとこせ・やっとこ・からがら・命からがら・一杯一杯・精一杯・たかだか・せめて・せめても・首の皮一枚・ぎりぎり・ほうほうの体てい・滑り込み・漕ぎ着ける・冷や汗をかく・危機一髪・きわどい・薄氷を履ふむ・サバイバル・虎口を脱する・やれやれ・命冥加・一髪・一髪千鈞せんきんを引く・とりあえず・ひとまず・間に合わせる・何はさておき・何はともあれ・差し当たり・まんまと

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精選版 日本国語大辞典 「心ならず」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 ならず

  1. ① 本意ではない。自分の意思に反している。
    1. [初出の実例]「おのが心ならず、まかりなむとする」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    2. 「病の、心ならぬ里居十日ばかりするにも、恋しく床しく思ひ参らせつるに」(出典:讚岐典侍(1108頃)上)
  2. ② 思い通りにすることができない。自由にはできない。
    1. [初出の実例]「鹿の音や心ならねばとまるらんさらでは野辺をみな見する哉〈忍西〉」(出典:続詞花和歌集(1165頃)秋上)
  3. ③ 不安でじっとしていることができない。気が気でない。
    1. [初出の実例]「あそこ爰心ならずや宿の月〈枳風〉」(出典:俳諧・花摘(1690)上)
    2. 「もしや倅が其やうな目にあひはせぬかと、心(ココロ)ならず」(出典:歌舞伎・東海道四谷怪談(1825)三幕)
  4. ④ われ知らず。無意識に。うっかり。
    1. [初出の実例]「童子心ならずして『法花経なり』とこたふ」(出典:観智院本三宝絵(984)中)
    2. 「云量(いふばかり)無きわりなき姿に引れて心ならず〈略〉御入候へかしと云ければ」(出典:太平記(14C後)二三)

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