測地網(読み)そくちもう(その他表記)geodetic net

改訂新版 世界大百科事典 「測地網」の意味・わかりやすい解説

測地網 (そくちもう)
geodetic net

広い範囲にわたる地図を作るためには,(1)ある点を経緯度原点とし,天文観測その他のなんらかの方法で経緯度決める,(2)基準とする地球楕円体の大きさや形を決め,経緯度原点との幾何学的位置関係を明確にする,という二つの手続きがまず必要である。これが完了すれば,原点の周囲に多数の三角点を設置し,三角測量三辺測量などによって,それらの点の経緯度,高さをつぎつぎに決めていくことができる。こうして,多数の三角点の位置を統一した座標系によって定めた場合,その全体のシステムを測地網という。これは,観測を行った相互の三角点の間をすべて直線で結んだ形を考えたとき,それは経緯度原点の周囲に広がって網状地表をおおう立体図形になると考えられるからである。現実の地図はこの測地網にもとづいて作られる。日本の地図は東京都港区麻布台2丁目にある経緯度原点(北緯35°39′17.5148″,東経139°44′40.5020″)とベッセル楕円体を基準として作られ,そこに存在する三角点は,日本全体に広がる一つの測地網を構成している。世界にはいくつもの測地網があるが,基準にしている地球楕円体の形や位置が違っているため,そのままでは全体を一つの測地網にまとめることはできない。異なる測地網相互の関係をはっきりさせるために,人工衛星の同時観測を行ったり,超長基線電波干渉法による測距を計画したりして,いまでも種々の努力がなされている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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