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地球楕円体 ちきゅうだえんたいearth ellipsoid

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

地球楕円体
ちきゅうだえんたい
earth ellipsoid

地図をつくったり,測量したりするときの基準として用いられる,地球に非常に近い形をした回転楕円体。実際の地球は山や海があって非常に複雑な形をしており,地球物理学では,海面の平均位置 (平均海面) をジオイドと呼んで地球の形として採用している。測量の場合はジオイドでも複雑すぎるので,ジオイドに近い形をした回転楕円体を地球の形と考え,地球楕円体,基準楕円体または準拠楕円体 reference ellipsoidと呼び,そのうえで地球上の各地点の座標を決定する。各国がそれぞれの国土の基本図の作成を独自に始めたことから,その基準にした地球楕円体の値もまちまちとなっている。日本では,ベッセル楕円体を採用している。国際測地学地球物理学連合では国際間の測地データの基礎として 1924年に国際楕円体を採用した。その後,67年,75年,さらには 79年に新しい地球楕円体を使うことを決議した。それぞれの楕円体は,1967年測地基準系 (赤道半径 a=6378160m ,扁平率 f=0.00335292371299 ) ,1975年測地基準系 ( a=6378140m ,f=1/298.257 ) ,1980年測地基準系 ( a=6378137±2m ,1/f=(298257±1)×10-3 ) という。

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百科事典マイペディアの解説

地球楕円体【ちきゅうだえんたい】

実際の地球の近似形として想定した回転楕円体。重力測定によりジオイドに最も近づける方法,測地測量などで求め,いくつかの地球楕円体が決定されている。たとえば国際天文学連合のIAU楕円体(地球),国際測地学会の国際地球楕円体など。
→関連項目緯度鉛直線

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世界大百科事典 第2版の解説

ちきゅうだえんたい【地球楕円体 earth ellipsoid】

地球の形とは現実の地形のことをいうのではなく,通常はジオイドの形のことを指す。ジオイドの形は球に近いが,その球を南北の方向からほんの少し押し縮めた回転楕円体の方によりよく一致する。適当な楕円体を選べば,ジオイド面との差は100m以下のわずかな量になる。したがって,地球の形を近似的に表すものとして,また地図投影の基準面としては,数学的に単純な形式の楕円体を採用するのが便利である。このような目的のために,近似的な地球の形として定めた楕円体を地球楕円体という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地球楕円体
ちきゅうだえんたい

地球の形にもっとも近い楕円体のこと。地球の形はジオイドで代表される。ジオイドの形は、球を南北からほんのすこし押し縮めた回転楕円体にごく近い。そのため、なるべく単純な地球の形として、ジオイドに近い形の回転楕円体を考えることが多い。このような立場で、地球の形を示すものとして決めた楕円体を地球楕円体という。
 地球楕円体を決めるには、大きく分けて次の3種の方法がある。地上測量により幾何学的に決める方法、広い範囲の地表で測定した重力値から重力理論に基づいて測地学的に決める方法、人工衛星の観測結果から力学的に決める方法である。決定された地球楕円体は、通常、赤道半径、偏平率(赤道半径と極半径の差を赤道半径で割った値)の二つの量で表される。
 地図をつくるときには、その基本として適当な地球楕円体を採用する(準拠楕円体という)必要がある。明治以来、日本で採用していた準拠楕円体はベッセルの楕円体であったが、測量が世界的規模で連結されるようになると、日本の測地系が世界の測地系に対して位置がずれていること、内部にゆがみが存在することが明らかになった。そして、その対策が急がれた。結局、2001年(平成13)に測量法の改正が行われ、世界の大勢にあわせて、日本の準拠楕円体は測地基準系1980(Geodetic Reference System 1980)に基づくものに改訂された。その地球楕円体は、赤道半径が6378.137キロメートル、偏平率がほぼ298.257分の1である。[長沢 工]
『中根勝見著『測量データの3次元処理――GPS時代の最小2乗法』(1994・東洋書店) ▽藤井陽一郎・藤原嘉樹・水野浩雄著、地学団体研究会編『新版地学教育講座1 地球をはかる』(1994・東海大学出版会)』

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