日本歴史地名大系 「港川遺跡」の解説
港川遺跡
みなとがわいせき
旧石器時代の遺物包蔵地。港川フィッシャー遺跡・港川古代人骨出土遺跡ともいう。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
旧石器時代の遺物包蔵地。港川フィッシャー遺跡・港川古代人骨出土遺跡ともいう。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
沖縄県八重瀬(やえせ)町港川にある旧石器時代遺跡。粟石(あわいし)(牧港(まきみなと)石灰岩)を採石する石切り場のフィッシャー(割れ目)から小動物の骨とともに現生人類(ホモ・サピエンス)の人骨(港川人)が出土して一躍学界の注目を集めた。放射性炭素(C‐14)による年代測定では約1万8000年前の古さをもつことがわかった。人骨の分析から、筋肉の発達した体形で、身長が男性で154センチメートル、女性で144センチメートルほどの低身であったと推定されている。また、人骨の特徴が中国の柳江(りゅうこう)人と類似するため大陸との関係が注目され、日本人起源の問題に新しい一石を投じた。出土人骨のうち3体はほぼ完全な骨格を備えており、形質人類学史上世紀の大発見といわれた。人工遺物を伴わないことから、なんらかの偶発的事故により形成された遺跡と考えられている。
[高良倉吉]
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