柳江(読み)りゅうこう

改訂新版 世界大百科事典 「柳江」の意味・わかりやすい解説

柳江 (りゅうこう)
Liǔjiāng

中国広西チワン族自治区柳江県通天岩にある後期更新世の洞窟遺跡。1958年に壮年男性の頭骨肋骨胸椎腰椎骨盤大腿骨などが発見され,柳江人と呼ばれている。洞窟からはサイ,スデゴドンゾウなどの化石も出土し,年代は4万年前あるいは6万年前とも報告されているが,確かではない。形態的には,現代人と変わらず,とくに原始的な特徴は認められない。身長は157cmと推定されている。かつて小柄な点や顔面が低い点などから,港川人との類似性が主張されたが,最近では根拠が薄弱と見られている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「柳江」の意味・わかりやすい解説

柳江
りゅうこう / リウチヤン

中国、広西チワン族自治区を流れる川。珠江(しゅこう/チューチヤン)水系の西江の支流の一つで、雲貴(うんき)高原南部から流出する融江(ゆうこう)、竜江の2源流が柳城(りゅうじょう)県内で合流してより下流を柳江とよぶ。柳江と名をかえたのち北東方より流下する洛清(らくせい)江をあわせて南流し、象州(しょうしゅう)県内で西江本流の紅水(こうすい)河と合流する。流域は古くから棺材に利用された柳杉の産地で、木材上流から流送され柳州で加工される。柳州以下に小汽船、上流は小船が航行する。

[青木千枝子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「柳江」の解説

柳江 りゅうこう

?-? 戦国時代連歌師
山城(京都府)山崎,あるいは摂津溝杭(みぞくい)(大阪府)の人。肖柏(1443-1527)の弟子で,堺で活動したという。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の柳江の言及

【新人】より

…その主要な発見地は,アフリカでは南アフリカ共和国のボスコプ,フロリスバッド(3万5000年前),タンザニアのオルドバイ第V層,アジアでは日本の三ヶ日,浜北,聖岳,港川,中国の上洞(1万8000年前。上洞人),柳江,インドネシアのワジャク(ワジャク人),マレーシアのニア洞窟,オーストラリアではコフナ,ケイラー,タルガイ,(1万2400~1万1650年前),アメリカ大陸ではアメリカ合衆国のロサンゼルス(2万6000~2万3600年前),サン・ディエゴ,メキシコのテペスパン(1万1000年前)などの諸遺跡である。ヨーロッパ,西アジア,北アフリカの化石現生人類に,現在この地域に居住するコーカソイド固有の形態特徴がすでに発現していると同様に,他の地域の化石現生人類にもそれぞれ現代につながる地域的特異性が認められている。…

※「柳江」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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