湿生植物(読み)しっせいしょくぶつ

日本大百科全書(ニッポニカ)「湿生植物」の解説

湿生植物
しっせいしょくぶつ

地下水位が高く、停滞水に覆われたり、一時的に冠水したりする湿潤地に限って生育する植物。池や沼の岸にみられるアシ、ガマ、マコモなどがもっとも代表的な種であるが、カヤツリグサ科のスゲ属、ホタルイ属、ハリイ属、アヤメ科、イグサ科などにも湿生植物が多い。湿潤地は緊密な土壌構造と停滞水のため通気が悪いので植物の根の発達は一般に貧弱であるが、なかには通気組織が発達している植物もある。また枯死体は分解が遅く、堆積(たいせき)して陸化が進みやすい。

 湿生植物の植生は生育地の栄養塩類の含有量や水質に大きく左右される。低地の富栄養湖ではアシ、ヒメガマ、マコモ、フトイ、ミクリ、シロネなど高茎の草本植物が優占し、密生した低層湿原を形成する。またカサスゲ、アゼスゲ、サワギキョウ、クサレダマなども混生する。一方、貧養立地の高層湿原や中間湿原にはホロムイスゲ、ヌマガヤ、ミカヅキグサなどの草本植物やヤチヤナギなどの低木が生育し、一般に疎生群落を形成する。

[奥田重俊]

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精選版 日本国語大辞典「湿生植物」の解説

しっせい‐しょくぶつ【湿生植物】

〘名〙 水辺や湿原などの湿潤な地域に生育する植物。ヨシ、マコモ、ヌマガヤなど。生育地の水分条件による分類で、乾生植物などに対していう。湿地植物

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デジタル大辞泉「湿生植物」の解説

しっせい‐しょくぶつ【湿生植物】

水辺や湿原など、湿潤な所に生育する植物。アシガマミズバショウなど。湿地植物。→乾生植物

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世界大百科事典内の湿生植物の言及

【中生植物】より

…乾燥地でも湿地でもない適湿な普通の土地に生育する植物。生育場所の水分条件によって植物を分類した時に,中生植物は乾生植物,湿生植物hygrophyte,水生植物hydrophyte,塩生植物のいずれにも入らない中間的な場所に生育する植物で,最も多くの植物が当てはまる。水分条件に関して特殊化した共通な形態的・生理的特徴はみられない。…

※「湿生植物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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