AがBから不動産を購入したものの、代金を支払わずにこれを借金とする場合がある。このように、消費貸借によらずに金銭その他の物を給付する義務を負っている者が、相手方との契約によりその物をもって消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借が成立したものとみなされる(民法588条)。これを準消費貸借という。すなわち、準消費貸借は、既存の債務を消滅させ、既存債務につき消費貸借と同一の効力を生じさせることを目的とする契約である。既存の債務の消滅は、準消費貸借契約が有効に成立したことを前提とするので、新債務が無効または取り消された場合には、既存の債務は消滅しなかったこととなる。さらに、準消費貸借は、既存の債務の存在を前提とするので、旧債務が無効であれば新債務も成立せず、また取り消された場合には、新債務は遡及(そきゅう)的に効力を失うこととなる。
[竹内俊雄]
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