砲身の施線部に相当する部分が滑らかな火砲。火砲が出現してから19世紀までは砲身内面は滑らかで,球状弾丸を発射する構造であった。19世紀になり砲身内面に腔線を刻み,シイの実状の弾丸を回転運動させて弾道を安定させ,射距離および精度を向上させる技術が開発されて以来,大半の火砲は施線砲身になった。近年,主力戦車の搭載主火砲に滑腔砲を使用するものが出現し今後多用される趨勢(すうせい)にある。滑腔砲の構造は,滑腔砲身を除き,現用の火砲と同じである。戦車用の火砲として滑腔砲が多用される契機となったのは,翼安定式装弾筒付徹甲弾(APDSFS弾)を発射するためである。APDSFS弾は,矢状の翼で弾道を安定する方法をとっている非常に細長い弾丸であるために,滑腔砲身で発射する必要が生じた。APDSFS弾は,現用の戦車砲弾より,射程および装甲貫徹力の面で優れている。第2次世界大戦中に,ドイツが列車砲に滑腔砲身をつけて矢型弾を使用し,長射程砲として威力を発揮した。戦後は,1960年代の初期に出現したソ連のT62型戦車の115mm滑腔砲が最初である。
執筆者:角園 睦美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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