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滝線【たきせん】
フォール・ラインfall line,瀑(布)線とも。山麓などで滝が数多く一線上に並んでいる地形。軟質の海岸平野と硬岩質の山地の接触線などで,浸食速度の相違により形成される。近代工業発達の初期にはこの線が水車,後には水力発電所の位置や大きい川での貨物の積替場所を決定し,そこに都市が生まれた例が少なくない。このような都市を滝線(瀑布線)都市という。ワシントン,リッチモンドなどアメリカ東海岸の諸都市はその例。
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滝線
たきせん
fall line
山地から平野にいくつかの河川がほぼ平行に流出する際,山地と平野の境界付近に滝がほぼ一線上に並ぶ場合がある。これらの滝を連ねた線を滝線とか瀑布線という。アメリカの東部にあるアパラチア山脈の東山麓にはその好例がみられる。滝線の多くは,断層と一致する。
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世界大百科事典(旧版)内の滝線の言及
【アメリカ】より
…アパラチア山脈は,(1)準平原化したピードモント(山麓)台地,(2)ブルー・リッジ,グレート・スモーキー山脈,(3)リッジ・アンド・バレー(連嶺と縦谷)地区,(4)アパラチア高原に区分される。ピードモント台地と東のコースタル・プレーン(海岸平野)のあいだには岩石の浸食抵抗の違いにより,滝や早瀬が形成され,その境界線は滝線と呼ばれている。滝線は大西洋に流れこむ河川の遡行の終点でもあり,この滝線に沿って河川交通時代に成立した都市([滝線都市])が並んでいる。…
【滝線都市】より
…ほぼ平行に流れるいくつかの川の多数の滝や早瀬,急流が横に一線上に連続的に分布する地形を滝線または瀑(布)線,フォール・ラインfall line,フォール・ゾーンといい,この線に沿って線状に分布する都市および都市群を滝線都市という。瀑(布)線都市ともいう。…
※「滝線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」