(読み)スイ

デジタル大辞泉 「炊」の意味・読み・例文・類語

すい【炊】[漢字項目]

常用漢字] [音]スイ(呉)(漢) [訓]たく かしぐ
飯をたく。「炊事炊飯自炊雑炊ぞうすい
[名のり]い・かし・かしぎ・とぎ・とぐ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「炊」の意味・読み・例文・類語

かしき【炊】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かしく(炊)」の連用形の名詞化 )
  2. 炊事をすること。飯をたくこと。また、それをする所。
    1. [初出の実例]「これはみかしき。〈略〉きたのかた、ぬしのおものかしく」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)
  3. 江戸時代の廻船乗組員のうち炊事にたずさわる者の職名。ふつう、乗組中の最年少者がなる下級船員。これから、初めて一人前水夫となり、楫取、表役など幹部となって船頭船長)となった。
    1. [初出の実例]「食焚(かしき)の源蔵帆足にはねられ」(出典:筑州唐泊浦孫七天竺語(1770か))
  4. 生活してゆくてだて。
    1. [初出の実例]「小よし一人のはたらきだけではカシキのつくはずはなかった」(出典:末枯(1917)〈久保田万太郎〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「炊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音] スイ
[字訓] かしぐ

[説文解字]

[字形] 会意
火+欠(けん)。欠は口を開く形。気息を以て火を吹く形である。〔説文〕十上に「爨(かし)ぐなり」とあり、吹の省声とするが、炊・吹ともに会意とみてよい。〔史記、封禅書〕に、晋巫の祀る五帝の一つに先炊があり、また老婦先炊ともよばれるもので、竈(かまど)の神をいう。

[訓義]
1. かしぐ、にたきする。
2. やく、もやす。
3. 吹と通じ、ふく。

[古辞書の訓]
名義抄〕炊 カシク・ヒタク・イヒカシク 〔字鏡集〕炊 カシク・ヲモヒ

[声系]
〔説文〕に炊声として龠(やく)部二下(すい)を収め、「律管(くわんくん)の樂なり」とあり、吹奏の器をいう。おそらく吹に従うべき字であろう。

[語系]
炊・吹thjiuaiは同声。同じ構造法の字である。

[熟語]
炊飲炊煙炊火炊骸炊玉・炊金炊桂炊骨炊爨・炊子・炊事・炊・炊・炊人炊箒・炊・炊飯炊婦炊米炊餠炊粱炊累
[下接語]
一炊・急炊・供炊・爨炊・自炊・舂炊・蒸炊・晨炊・新炊・雑炊・朝炊・晩炊

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android