中国で古来,音の高さを示すために考案された管で,律または律呂(りつりよ)と呼んだ。起源に関しては,黄帝(こうてい)が伶倫に命じて竹で十二律を作らせたという伝説がある。初めは無節の竹管を用いたが,同一条件の正確な律の竹管が求めがたく保存にも不便であったので,玉や銅をも用いて作るようになった。唐代に張文収が360銅律を作ったり,吉備真備(きびのまきび)が銅律一部を唐から持ち帰った記録がある。律管の長さや内径は音律との関係から種々の計算方法がとられてきた。律管は上下貫通の管で,ふつう下端を閉じ上端に斜めに息を吹きこんで鳴らすが,後世には洞簫(とうしよう)の吹口のような切りこみを入れて鳴りよくしたものも現れた。1管ずつ独立したものもあるが,12管をひもで連結して排簫(簫)のような形にしたものも多く,日本では12管一組に連結したものが用いられている。律管は音楽的用途のほか,度量衡の基本として重視されたり,祭祀,兵事にも用いられた。
執筆者:三谷 陽子
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