律管(読み)リッカン(その他表記)lǜ guǎn

デジタル大辞泉 「律管」の意味・読み・例文・類語

りっ‐かん〔‐クワン〕【律管】

調子笛一種。古代中国で発明された、音楽調律標準となる管で、日本では主に雅楽で用いられた。12本の中空の竹または金属製の管を長短の順に並べ、下端を指でふさぎ、上端から息を吹き込んで鳴らす。

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精選版 日本国語大辞典 「律管」の意味・読み・例文・類語

りっ‐かん‥クヮン【律管】

  1. 〘 名詞 〙 調子笛の一種で、調律の標準となる管。雅楽では十二律を標準とし、一二本の中空の竹管を長短の順に配列してある。りつ。
    1. 律管〈集古十種〉
      律管〈集古十種〉
    2. [初出の実例]「銅律管一部」(出典:続日本紀‐天平七年(735)四月二六日)
    3. [その他の文献]〔晁冲之‐贈僧法一墨詩〕

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改訂新版 世界大百科事典 「律管」の意味・わかりやすい解説

律管 (りつかん)
lǜ guǎn

中国で古来,音の高さを示すために考案された管で,または律呂(りつりよ)と呼んだ。起源に関しては,黄帝こうてい)が伶倫に命じて竹で十二律を作らせたという伝説がある。初めは無節の竹管を用いたが,同一条件の正確な律の竹管が求めがたく保存にも不便であったので,玉や銅をも用いて作るようになった。唐代に張文収が360銅律を作ったり,吉備真備きびのまきび)が銅律一部を唐から持ち帰った記録がある。律管の長さや内径音律との関係から種々の計算方法がとられてきた。律管は上下貫通の管で,ふつう下端を閉じ上端に斜めに息を吹きこんで鳴らすが,後世には洞簫(とうしよう)の吹口のような切りこみを入れて鳴りよくしたものも現れた。1管ずつ独立したものもあるが,12管をひもで連結して排簫)のような形にしたものも多く,日本では12管一組に連結したものが用いられている。律管は音楽的用途のほか,度量衡の基本として重視されたり,祭祀兵事にも用いられた。
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百科事典マイペディア 「律管」の意味・わかりやすい解説

律管【りっかん】

音律の基準音を得るために古代中国や日本で用いられた竹または銅製の管で,それを吹奏して基準音を求めた。一管一つの基準音のみを求めるものや,12管一組で十二律を求めるものなどがある。

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