煮詰る(読み)ニツマル

デジタル大辞泉 「煮詰る」の意味・読み・例文・類語

に‐つま・る【煮詰(ま)る】

[動ラ五(四)]
煮えて水分がなくなる。「汁が―・る」
討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく。「問題が―・ってきた」→生煮え
[補説]近頃では、「煮詰まってしまっていい考えが浮かばない」のように「行き詰まる」の意味で使われることが多くなっている。2の意は1900年代後半に始まるようである。「行き詰まる」の意は1950年ころの使用例があるが、広まったのは2000年ころからか。
文化庁が発表した平成25年度「国語に関する世論調査」では、「7日間に及ぶ議論で、計画が煮詰まった」を、本来の意味とされる「(議論や意見が十分に出尽くして)結論の出る状態になること」で使う人が51.8パーセント、本来の意味ではない「(議論が行き詰まってしまって)結論が出せない状態になること」で使う人が40.0パーセントという結果が出ている。
[類語]煮付ける煮染める煮込む

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精選版 日本国語大辞典 「煮詰る」の意味・読み・例文・類語

に‐つま・る【煮詰】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 煮えすぎて水分が蒸発してしまう。
    1. [初出の実例]「朝は必ず生温い飯に、煮詰った汁と極って居たのが」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉二一)
  3. 議論や考えなどが出つくして、結論を出せる状態になる。
    1. [初出の実例]「解決は時間の問題というところまで煮つまっているから」(出典:検事霧島三郎(1964)〈高木彬光〉七)
  4. 問題や状態などが行きづまってどうにもならなくなる。
    1. [初出の実例]「戦争の次第に辛く煮詰って来てゐるのが知られた」(出典:朝霧(1950)〈永井龍男〉)

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