爪に火を点す(読み)ツメニヒヲトモス

デジタル大辞泉 「爪に火を点す」の意味・読み・例文・類語

つめとも・す

ろうそくの代わりに爪に火をともす。ひどく貧しい生活をする。苦労して倹約する。また、ひどくけちなことのたとえ。「―・してためた金」
[類語]節約倹約セーブエコノミー切り詰める引き締めるつづめる節するけちるけちけちする出し惜しむ出し渋る財布の紐を締める財布の紐が堅い始末経済節倹

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ことわざを知る辞典 「爪に火を点す」の解説

爪に火を点す

ろうそくや油の代わりに爪に火をともす。ひどくけちなこと、つましい暮らしをすることのたとえ。

[使用例] 島田吝嗇な男であった。妻の御常は島田よりもなお吝嗇であった。「爪に火を点すってえのは、あの事だね」彼が実家に帰ってから後、こんな評が時々彼の耳に入った[夏目漱石*道草|1915]

[解説] 爪を火にくべることは禁忌であったから、そうした世間常識に反してまでも、金を貯め込もうとするりんしょくやそうでもしなければ暮らしていけないほどの極貧生活が強調されています。

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