出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
履き物の付属品。雨や雪でつまさきが汚れるのを防いだり、防寒のために履き物のつまさきに掛けて用いるもので、爪皮(つまかわ)ともよばれる。爪皮は元来は革製品であったが、現在では両者が混同して用いられている。爪掛には、草鞋(わらじ)用と下駄(げた)用とがある。前者は藁(わら)製品で「はなもじ」(飛騨(ひだ)、阿波(あわ))、「しぶからみ」(越後(えちご)塩沢)などといわれるものがある。後者は、かまぼこ形をしたものを下駄のつまさきに掛けて用いる。材料は皮革、油紙、木綿、セルロイドなどで、防水製につくられている。爪掛を留めるゴム紐(ひも)は1877年(明治10)大阪・日本橋堺(さかい)町下駄屋六門屋の新倉与兵衛の考案という。
[遠藤 武]
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