片栗(読み)カタクリ

デジタル大辞泉 「片栗」の意味・読み・例文・類語

かた‐くり【片×栗】

ユリ科多年草山地の林に生え、高さ約15センチ。葉は楕円形で、表面紫色斑紋がある。早春花茎の頂に紫色の花を下向きに1個つけ、花びらは6枚あり、先が反り返る。鱗茎りんけいは良質のでんぷんを含む。かたかご。 春》「―の一つの花の花盛り素十
片栗粉」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「片栗」の意味・読み・例文・類語

かた‐くり【片栗】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ユリ科の多年草。北海道、本州、まれに九州、四国の山地の樹陰に生える。高さ約二〇センチメートル。春、地下の鱗茎から二葉を出す。葉は長柄をもち、長さ六~九センチメートルの先のとがった長卵形で、紫色の斑紋がある。四~五月頃、葉間から花茎を出し、茎頂に径四~五センチメートルの紅紫色の花を下向きに単生する。花被は六片で反曲する。鱗茎はでんぷんを含み、片栗粉の原料。若葉は食べられる。車前葉山慈姑は和製漢名で正しくない。かたこ。ぶんだいゆり。かたかご。かたかし。

▼かたくりの花 《 季語・春 》 〔物類称呼(1775)〕

  1. かたくりこ(片栗粉)」の略。
    1. [初出の実例]「堅香子花〈略〉万葉集見安云、堅香子の花、山百合の花也、此根を製してかたくりと云也と云々」(出典:俳諧・滑稽雑談(1713)二月)

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