片輪車(読み)カタワグルマ

精選版 日本国語大辞典 「片輪車」の意味・読み・例文・類語

かたわ‐ぐるま【片輪車】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物を運搬するのに使う一輪車。
    1. [初出の実例]「隻輪と云はかたわ車ぞ。只輪一であるく事もあるげなぞ〈略〉せばい路をあるくには、隻輪車がよいぞ」(出典:四河入海(17C前)一二)
  3. (つい)の車輪の一つがない車。役に立たない車。引くに引けない車。転じて、不完全であること。また、どうしようもない事態境遇などをたとえていう。
    1. [初出の実例]「おつるなみだに、めもくれ、かたはくるまの、やるかたもなく」(出典:御伽草子・朝顔の露(室町時代物語集所収)(室町末))
  4. 車の輪が水に流れるさまを図案化した模様。
    1. <a href=片輪車〈片輪車螺鈿蒔絵手箱〉" />
      片輪車片輪車螺鈿蒔絵手箱
    2. [初出の実例]「よせてのはたしるし、かたはくるまにたつなみは、六条のはんぐゎん」(出典:説経節・あいごの若(山本九兵衛板)(1661)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android