六訂版 家庭医学大全科 「物が飲み込みにくい」の解説
物が飲み込みにくい
ものがのみこみにくい
Difficulty in swallowing
(お年寄りの病気)
どのような状態か
医学的には「
必要な検査と疑われる病気
最も気をつけなければいけない病気は食道がんです。この場合、一般的にほかの症状はなく、また徐々に進行するのが特徴的です。咽頭の腫瘍でも「飲み込みにくい」症状は出ますが、のどの違和感、痛みのほうが強く出ます。また喉頭がんでは、まず最初に声がかれてきます。一方、逆流性食道炎による食道狭窄(きょうさく)では、かなり以前から胸やけや胸痛といった症状があるのが普通です。
一方、お年寄りでは、食道の
そのほか、実は何も食道に異常はないのに、物が飲み込みにくい、あるいはのどに物がつかえたような感じがするといった症状のある患者さんがかなりたくさんいます。これは中年以上の女性に多く、実は精神的なもので(心身症)、検査をして何もないとわかれば症状は軽快することが多いです。
検査は何といっても、胃内視鏡、胃
家庭での対処のしかた
家庭で対処する方法はとくにありません。症状が1週間以上も続く時は、やはり近所の医療機関を受診したほうがよいでしょう。がんでは一般的に症状は進行性なので、途中でよくなったりした場合は、まずがんではないと考えてよいでしょう。
千葉 勉
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報