物理変化(読み)ブツリヘンカ(その他表記)physical change

デジタル大辞泉 「物理変化」の意味・読み・例文・類語

ぶつり‐へんか〔‐ヘンクワ〕【物理変化】

物質組成は変わらず、その形や状態変化すること。化学変化に対し、物体温度体積圧力電気抵抗熱伝導率などの物理量の変化をいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「物理変化」の意味・読み・例文・類語

ぶつり‐へんか‥ヘンクヮ【物理変化】

  1. 〘 名詞 〙 物質の化学的成分の変化なしに起こる状態変化。化学変化に対していう。〔稿本化学語彙(1900)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「物理変化」の意味・わかりやすい解説

物理変化
ぶつりへんか
physical change

化学的な組成の変化がなく状態のみが変化する現象。化学変化に対応する用語で、単に見かけの姿が変わったときに用いられる。たとえば、常温で水はH2Oという化学組成をもつが、これを低温にすると氷に、高温にすると水蒸気になる。氷も水蒸気も化学組成はH2Oであり、化学変化はおきておらず単に状態が変化しただけである。水の中に砂糖を溶かしたとき砂糖水ができるがその後に水を蒸発させると砂糖が析出する。これは物理的な溶解現象である。また、水にナトリウムを加えると、ナトリウムは水と反応して水酸化ナトリウムと水素ガスが発生する。水を蒸発させてもナトリウムは析出しない。これは水とナトリウムとが化学反応をした溶解であり、同じ溶解であってもこれは物理変化ではない。

[下沢 隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の物理変化の言及

【化学変化】より

…一般に物質系が示す変化のなかで,物質の種類(化学種)が変化する場合を化学変化といい,物質の種類は変化せずその状態のみが変化する場合を物理変化physical changeという。化学変化をひき起こす過程を化学反応といい,化学反応の過程で,反応に関与する物質を構成する分子・原子内で化学結合の切断・生成が起こる。…

※「物理変化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android