物質の分量が多いか少ないかを原子論の立場で表現するための概念。物体を構成する物質の分量は,物体の質量の値で,すなわちキログラムやグラムを単位として測った値で示すこともできるが,さまざまな物質,たとえば炭素Cと酸素Oとがどのような量的関係で結合して化合物COあるいはCO2になるかなどを考える場合には,原子Cと原子Oとの結合で分子COあるいはCO2がつくり出されるときの原子および分子の個数に着目した表現をするほうがよいので,質量とは別に,物質量という概念が用いられる。実際には,原子量や分子量とも関連させれば理解しやすくなるので,炭素の同位体である12C(原子量12)の質量0.012kgの中に含まれる原子の個数,いわゆるアボガドロ数(約6.022×1023)を基準に選び,これと同個数の原子,分子その他の要素体の集団を1組とみなして,この集団の何組分に相当するかという数値を求め,その数値に物質量の単位モルmolを添えて各物質の物質量を表現する。上の例では,C1molとO21molとからCO21molができ,C2molとO21molとからCO2molができると記述される。これまで,モル数,グラム原子数,グラム分子数,グラム当量その他の名で表されてきた量は,物質の組成すなわち要素体の種類を明示したうえで〈物質量,何mol〉と示せば,一般性の高い表現になる。
執筆者:高田 誠二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…国際単位系における物質量の基本単位。1971年の国際度量衡総会で採用されたモルの定義は次のとおりである。…
※「物質量」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新