物質1モル中に含まれるその物質を構成する粒子(原子、分子、イオン、ラジカル、電子など)の数に相当する。普通LもしくはNAで表し、NA=6.0221367×1023mol-1であり古くはアボガドロ数Avogadro's numberといった。この値はオーストリアのロシュミットが1865年に初めて決定したので、ドイツではロシュミット数といったこともある。しかし一般的には、0℃、1気圧の気体1ミリリットル中に存在する分子数をロシュミット数といって区別していた。
[中原勝儼]
気体の粘性、拡散定数、エマルジョンの分布、単分子膜の測定、ブラウン運動などが古く用いられたが、これらはいずれも精度があまりよくない。精度をよくするためには次のような方法があるが、(3)の方法がもっとも精度が高い。
(1)ラジウムのα(アルファ)粒子(ヘリウムイオン)の放出速度nと、一定時間t秒に得られるヘリウムの生成量mグラムとの間から求める。式はm=Mnt/NA(Mはヘリウムの原子量)となる。
(2)帯電した油滴の微量粒子を落下させ、その速度から電気素量eを求め(ミリカンの油滴の実験)、これとファラデー定数Fとの関係から求める。式はF=eNAとなる。
(3)X線回折によって単結晶の単位格子の格子定数を決定し、その格子内に含まれる原子または分子数から求める。
[中原勝儼]
『西条敏美著『物理定数とは何か――自然を支配する普遍数のふしぎ』(1996・講談社)』
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
物質1 mol 中に含まれるその物質粒子の数で,基本物理定数の一つ.記号 NA またはL.CODATAの1998年の推奨値は
NA = 6.02214199(47)×1023 mol-1.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
「アヴォガドロ定数」のページをご覧ください。
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