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特発性血小板減少性紫斑病 とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょうidiopathic thrombocytopenic purpura; ITP

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

特発性血小板減少性紫斑病
とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう
idiopathic thrombocytopenic purpura; ITP

血小板が減少するため,出血して全身皮膚に大小種々の紫斑が多発する疾患。赤血球,白血球系,凝固系には異常がない。自己免疫性機序により発症することから,病名の特発性を免疫学的に変えるほうが妥当といわれている。毛細管壁に対する機械的刺激なども関与するとされている。粘膜も侵され,歯肉出血,鼻出血,下血血尿,呼吸器出血,性器出血などを伴う。頭痛,発熱,全身倦怠感などを前駆症状とすることが多い。皮膚をかくとその部に点状紫斑が多発する。このほか,全身性紅斑性狼瘡の一症状として本症が現れることがある。また薬剤により血小板減少性の紫斑が出現することもある。

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デジタル大辞泉の解説

とくはつせい‐けっしょうばんげんしょうせいしはんびょう〔‐ケツセウバンゲンセウセイシハンビヤウ〕【特発性血小板減少性紫斑病】

基礎疾患や薬剤の影響がないにもかかわらず、血小板が減少し、さまざまな出血症状を引き起こす病気。特定疾患難病)の一つ。小児の場合6か月以内に治癒することが多い。血小板に対する自己抗体が生成され、脾臓で血小板が破壊されることにより起こると考えられている。ITPIdiopathic thrombocytopenic purpura)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

特発性血小板減少性紫斑病
とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう

止血に重要な役割を演ずる血小板が明らかな原因なしに著しく減少し、皮下に大小不同の出血が突然おこって紫斑を生ずる疾患で、成因や治療について決定的なものがなく、厚生労働省指定の特定疾患(難病)の一つ。ITP(idiopathic thrombocytopenic purpura)と略称され、ウェルホーフ病ともよばれる。
 血小板減少ないし血小板寿命の短縮(正常では8~10日であるが1~3日となる)の成因については明らかでないが、なんらかの血小板破壊因子の存在が推測されており、また自己免疫によるとする見解も有力視されている。血小板は血液1立方ミリ中に25万~35万あるといわれるが、これが6万以下になるとなんらかの出血症状がみられる。高度なITPでは2万以下、ときにはまったく消失することもある。主症状は特有の紫斑で、全身の皮下や粘膜下にみられる点状出血や斑状出血のほか、歯肉出血、鼻出血、女性の場合は月経過多などの出血症状が継続的あるいは断続的にみられる。重症の場合は腸管や腎臓(じんぞう)から出血し、失血による二次的貧血によって衰弱する。通常2~3週間で軽快するが、長期にわたって再発を繰り返す場合も少なくない。小児には急性型で重症のものが多く、女性では慢性型で中等度のものが多い。また小児ではほとんど男女差がみられず、成人では男女比がほぼ1対2で、15歳以後では女性に顕著に多くみられ、25~29歳と50~54歳にピークがあることなどから、女性特有の性周期や妊娠・出産といった要因を重視する報告もある。治療には副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤を用いるほか、脾臓(ひぞう)摘除や血小板輸血も行われる。また、血管強化剤や凝固促進剤なども使われるが、効果は確実ではない。
 なお、薬物中毒、感染症、放射線障害、再生不良性貧血、全身性エリテマトーデスなど血小板減少がみられる疾患も多くあり、これらは特発性に対して続発性血小板減少性紫斑病とよばれる。したがって、ITPの診断にはこれらの除外診断が必要とされる。[伊藤健次郎]

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世界大百科事典内の特発性血小板減少性紫斑病の言及

【紫斑病】より

…原因には,薬剤・化学物質,放射線によるもの,感染,骨髄疾患,血管腫,血小板無力症,ウィスコット=アルドリッチ症候群などによる二次的なものと原因不明のものとがある。原因不明のものは特発性血小板減少性紫斑病とよばれるが,抗血小板による自己免疫とも考えられている。治療としては,安静,止血剤の使用のほか,輸血,血小板輸血,副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の服用,脾臓の摘出などを行う。…

※「特発性血小板減少性紫斑病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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