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(25)Up to date: Patient information: Immune thrombocytopenia (ITP) (The Basics)
アレルギーと膠原病
出典 法研「EBM 正しい治療がわかる本」EBM 正しい治療がわかる本について 情報
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は、血小板に対する自己抗体(自分の体を攻撃してしまう免疫物質)が血小板に結合した結果、
日本の年間発生は1000~2000人、男女比は約1対2で、女性に多い疾患です。ITPによる死亡率は5%以下で、
本疾患は、厚生労働省の特定疾患に指定されていて、申請受理により医療費補助が受けられます。
免疫異常によって産生される血小板に対する自己抗体は、血小板関連免疫グロブリンG(PAIgG)とも呼ばれ、血小板膜に結合し
また、抗血小板抗体により血小板機能異常を来し、出血傾向を助長している可能性もあります。これらの免疫異常の原因は不明です。
ITPは急性型と慢性型に分類されます。急性型は
症状は
出血症状があり、特徴的な検査所見がみられ、基礎疾患を否定された場合に診断されます。とくに、偽性(ぎせい)血小板減少症(コラム)、遺伝性巨大血小板減少症、骨髄異形成(こつずいいけいせい)症候群、
検査所見の特徴は、血小板減少(10万/μℓ以下)以外に、骨髄では幼若な骨髄巨核球が正常ないし増加し、PAIgG値および網血小板(若い血小板)率も増加します。出血時間は延長しますが、凝固系検査は正常です。出血を伴う時は
急性ITPは6カ月以内に90%以上は自然軽快するので、発症2週間以内の高度の血小板減少による出血症状への対応が大切です。慢性ITPと区別がつかない場合は、慢性ITPの治療指針に準じて対応します。
慢性ITPでは、最近、ピロリ菌感染がみられる患者さんにピロリ菌除菌で血小板数が上昇することがあることから、治療戦略が見直されています(図13)。すなわち、慢性型ITPと診断されたら、ピロリ菌感染の有無を調べ(尿素呼気試験、血清抗体価、便中ピロリ菌抗原など)、陽性であればまず除菌を行います。
ピロリ菌除菌をしても無効の場合、あるいはピロリ菌が陰性の場合、血小板数が3万/μℓ以上では経過観察、2万/μℓ 以下では、スタンダード治療として、まずステロイド療法を行い、反応が悪い場合は
診断時には、基礎疾患の存在が明らかでなくても、副腎皮質ステロイド薬の減量中に基礎疾患が顕在化してくることがあるので注意が必要です。副腎皮質ステロイド薬長期投与の副作用・合併症として、
脾摘術は最近は内視鏡的脾摘出術で開始することが多く、開腹脾摘出術へ移行するのは10%程度です。脾摘後の長期経過中に
以上の治療法に反応しない難治性ITPに対しては、サルベージ療法(救済的療法)として免疫抑制薬(アザチオプリンあるいはシクロホスファミド)、ビンカアルカロイド、コルヒチン、ダナゾールなどの薬を試みますが、効果は一過性です。シクロホスファミド大量療法、多剤併用療法、末梢血幹細胞移植などによる強力な免疫抑制療法、新しい試みとしてトロンボポエチン
血小板の数や臨床症状により治療の緊急性が異なるので、血液専門医を受診し、適切な検査と治療を受けることに徹します。二次性の血小板減少症(コラム)を鑑別してもらうことも重要です。
東原 正明
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は後天性の血小板減少に基づく出血性疾患のひとつです。小児では発症から6カ月以内に血小板の数が正常化する急性型が80~90%を占め、6カ月以上血小板の減少が続く慢性型は10%程度にすぎません。
急性ITPでは典型的には発症の2~3週前に先行するウイルス感染症やウイルス生ワクチンの接種歴が認められます。このことから、感染したウイルスとその抗体の免疫複合体が血小板に付着するなどして血小板が
しかし最近では、慢性ITPと同様に自己免疫機序(仕組み)により血小板自己抗体が作られ、抗体の付着した血小板が網内系で捕捉・破壊されるとも考えられています。なぜ自己の血小板に対する抗体が作られるのかは解明されていません。
大小さまざまな皮膚の出血斑が、四肢をはじめ顔面や体にもみられます。痛みやかゆみは一般的には伴いません。血小板の数がより低値の場合は、鼻粘膜や口腔内粘膜からの粘膜出血斑がみられます。最も危険な合併症である頭蓋内出血の頻度は急性ITPの0.5%とまれですが、その40%は4週以内の病初期に発症し、血小板の数も1万/μℓ未満の例がほとんどです。
それまで健康であった小児に、かぜ症状などの数週後に出血斑がみられた場合は、ITPが疑われ、末梢血検査が必要です。正常な血小板数は15万/μℓ以上ですが、ITPではさまざまな程度に血小板の数が減ります。厚生省(当時)の診断基準(表14)を参考に診断します。骨髄検査の必要性については議論がありますが、他の血小板数低下を示す疾患が少しでも疑われる時には必要と考えられます。
小児急性ITPの多くは6カ月以内に治る予後良好な疾患ですが、出血症状が強く血小板数が1万/μℓ未満の時にはすみやかに3万/μℓ以上まで血小板数を上昇させることが必要です。
①免疫グロブリン大量療法
すみやかに止血安全域まで血小板数を上昇させたい場合には第一選択となります。従来は400㎎/㎏を5日間投与されていましたが、最近では1g/㎏の投与も同様な治療効果があるとされ、行われています。
②ステロイド薬
①の治療が行えない時などは、プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンの投与が行われます。
また発症後1年以上経過した慢性のITPで出血症状のため生活に支障を来している場合や、①や②の治療が日常的に必要な場合で5歳以上であれば、脾臓の摘出が考慮されます。
高橋 良博, 伊藤 悦朗
明らかな基礎疾患や原因薬剤の関与もなく発症し、血小板数が減るため、さまざまな出血症状を引き起こす病気のことをいいます。慢性型と急性型とがあり、急性型は小児に多く、急激に発症します。一方、慢性型は20~40歳の女性に多く、徐々に発症します。
血小板に対する自己抗体ができ、
出血症状は紫斑(点状出血および斑状出血)が主で、歯肉出血、鼻出血、下血、血尿、月経過多などもみられます。関節内出血は認められません。出血症状を自覚していなくても血小板数の減少を指摘され、受診することもあります。
以下の検査所見から診断します。
①血小板減少10万/㎣以下
②
③血小板結合性免疫グロブリンG(PAIgG)の増加
治療はまず副腎皮質ステロイド薬が使われ、血小板数や症状をみながら、徐々に減量していくのが一般的です。効果がない時には脾臓の摘出手術が行われます。それでも効果が不十分な場合は、免疫抑制薬などが使われます。
小児に多くみられる急性型の大部分は自然に治ります。慢性型ではステロイド薬で治るのは20%で、脾臓を摘出した人の60~70%に改善がみられます。しかし、まれに頭蓋内出血で死亡することもあるため、激しい頭痛、吐き気、嘔吐などの症状が出たら、すぐに医師に連絡することが大切です。
治療は個人で差があるので、必ず現在の自分の状況を小児科医もしくは内科医に説明して、適切な指示を受けてください。
妹尾 明美
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
止血に重要な役割を演ずる血小板が明らかな原因なしに著しく減少し、皮下に大小不同の出血が突然おこって紫斑を生ずる疾患で、成因や治療について決定的なものがなく、厚生労働省指定の特定疾患(難病)の一つ。ITP(idiopathic thrombocytopenic purpura)と略称され、ウェルホーフ病ともよばれる。
血小板減少ないし血小板寿命の短縮(正常では8~10日であるが1~3日となる)の成因については明らかでないが、なんらかの血小板破壊因子の存在が推測されており、また自己免疫によるとする見解も有力視されている。血小板は血液1立方ミリ中に25万~35万あるといわれるが、これが6万以下になるとなんらかの出血症状がみられる。高度なITPでは2万以下、ときにはまったく消失することもある。主症状は特有の紫斑で、全身の皮下や粘膜下にみられる点状出血や斑状出血のほか、歯肉出血、鼻出血、女性の場合は月経過多などの出血症状が継続的あるいは断続的にみられる。重症の場合は腸管や腎臓(じんぞう)から出血し、失血による二次的貧血によって衰弱する。通常2~3週間で軽快するが、長期にわたって再発を繰り返す場合も少なくない。小児には急性型で重症のものが多く、女性では慢性型で中等度のものが多い。また小児ではほとんど男女差がみられず、成人では男女比がほぼ1対2で、15歳以後では女性に顕著に多くみられ、25~29歳と50~54歳にピークがあることなどから、女性特有の性周期や妊娠・出産といった要因を重視する報告もある。治療には副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤を用いるほか、脾臓(ひぞう)摘除や血小板輸血も行われる。また、血管強化剤や凝固促進剤なども使われるが、効果は確実ではない。
なお、薬物中毒、感染症、放射線障害、再生不良性貧血、全身性エリテマトーデスなど血小板減少がみられる疾患も多くあり、これらは特発性に対して続発性血小板減少性紫斑病とよばれる。したがって、ITPの診断にはこれらの除外診断が必要とされる。
[伊藤健次郎]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…原因には,薬剤・化学物質,放射線によるもの,感染,骨髄疾患,血管腫,血小板無力症,ウィスコット=アルドリッチ症候群などによる二次的なものと原因不明のものとがある。原因不明のものは特発性血小板減少性紫斑病とよばれるが,抗血小板による自己免疫とも考えられている。治療としては,安静,止血剤の使用のほか,輸血,血小板輸血,副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の服用,脾臓の摘出などを行う。…
※「特発性血小板減少性紫斑病」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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