(読み)テキ

デジタル大辞泉 「狄」の意味・読み・例文・類語

てき【×狄】

古代中国で、匈奴きょうどなど北方の異民族の呼称北狄
綱淵謙錠つなぶちけんじょうの長編時代小説。昭和47年(1972)から昭和48年(1973)にかけて「別冊文芸春秋」誌にて連載単行本は昭和49年(1974)刊行新撰組からの脱走隊士が、流転の果てにたどり着いた樺太で経験する日露紛争を描く。

てき【狄】[漢字項目]

[音]テキ(漢) [訓]えびす
古代中国で、北方の異民族。広く、異民族や野蛮人。「夷狄いてき戎狄じゅうてき北狄

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精選版 日本国語大辞典 「狄」の意味・読み・例文・類語

てき【狄】

  1. 〘 名詞 〙 中国古代の異民族の一つ。北狄。

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普及版 字通 「狄」の読み・字形・画数・意味


7画

[字音] テキ
[字訓] とおい・えびす

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
犬+火。犬は犬牲。火を加えて災禍を祓う呪儀を示すものであろう。拔(抜)・祓もまた犬に従う。遠くへ祓うので逖遠の意となる。〔説文〕十上に「赤狄なり。本(もと)犬種なり。狄の言爲(た)る、辟なり。犬に從ひ、亦の省聲なり」とするが、金文の字は火に従う。金文に「不恭を狄(ひつてき)す」「淮夷を克狄(こくてき)す」などの語があり、逖遠の地に退けることをいう。狄に狄遠の意があるとすべきである。

[訓義]
1. とおい、とおざける、はるか。
2. えびす、北方の族。

[古辞書の訓]
立〕狄 エビス

[声系]
〔説文〕に狄声として逖を収め、その古文の字をに作る。金文には、狄をそのまま逖遠の字に用いる。

[語系]
狄・逖・thyek、thek、また超thi、迢dyは声義近く、みな遠くはるかな意がある。遙(遥)jiもこの系統の語。狄はまたdykに仮借して用いることがある。

[熟語]
狄国狄人狄成・狄狄狄狄俘狄酪狄隷
[下接語]
夷狄狄・闕狄・胡狄戎狄・赤狄・北狄・揄狄

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【北狄】より

…中国,古代,漢民族が北方の異民族を総称した語。狄翟(てきてき)ともいう。春秋時代,今の陝西省渭水流域から山西省南部に遊牧し,晋,邢,衛,鄭などの国と争った。…

※「狄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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