綱淵謙錠(読み)ツナブチケンジョウ

デジタル大辞泉 「綱淵謙錠」の意味・読み・例文・類語

つなぶち‐けんじょう〔‐ケンヂヤウ〕【綱淵謙錠】

[1924~1996]小説家樺太からふとサハリン)の生まれ。長年編集者として活躍した後、時代小説を執筆した。「ざん」で直木賞受賞。他に「たい」「てき」「戊辰ぼしん落日」「越後太平記」など。T=S=エリオット研究翻訳でも知られる。

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百科事典マイペディア 「綱淵謙錠」の意味・わかりやすい解説

綱淵謙錠【つなぶちけんじょう】

小説家。樺太(サハリン)生れ。東大英文科卒。卒業後,中央公論社入社,《谷崎潤一郎全集》《エリオット全集》の編集,また《婦人公論》編集長などをつとめ,1971年に退社した。《批評限界》《エリオット詩劇論集》など,エリオットの翻訳もある。その後,《斬》(1971年―1972年)で直木賞を受賞,《苔》《狄(てき)》など歴史の敗者を描いた歴史小説で知られる。ほかに怪異現象を綴った《怪》などがある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「綱淵謙錠」の解説

綱淵謙錠 つなぶち-けんじょう

1924-1996 昭和後期-平成時代の小説家。
大正13年9月21日樺太(からふと)(サハリン)生まれ。中央公論社にはいり,「婦人公論」編集長などを歴任。昭和47年「斬(ざん)」で直木賞をうけ,本格的な作家生活にはいる。つづいて「苔(たい)」「狄(てき)」など,敗者の視点から歴史をみつめた1字題の小説を発表。T.S.エリオットの研究でも知られる。平成8年4月14日死去。71歳。東大卒。雅号は狄斎。作品はほかに「戊辰落日」「越後太平記」など。

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