狛朝葛(読み)こまのともかず

朝日日本歴史人物事典 「狛朝葛」の解説

狛朝葛

没年元弘1.3.9(1331.4.16)
生年宝治1(1247)
鎌倉時代後期の雅楽奏者。建長1(1249)年生まれ,正慶2/元弘3(1333)年没とする説も。『教訓抄』(1233)の著者狛近真の孫。童名は海王丸。祖父教訓を心にとどめ勤勉怠らず『続教訓抄』を著す。秘曲「陵王荒序」を舞うこと,16歳から81歳まで18回を数え,雅楽一の者を36年間勤めた。左舞譜『掌中要録』『掌中要録秘曲』の著者ともいわれる。<参考文献>『楽所補任』

(蒲生美津子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「狛朝葛」の解説

狛朝葛 こまの-ともかず

1247-1331 鎌倉時代の雅楽家。
宝治(ほうじ)元年生まれ。狛近真(ちかざね)の孫。奈良方興福寺に属して左舞(さまい)と笛を専門とする。左舞の一者(いちのもの)を38年間つとめた。元徳3年3月9日死去。85歳。正慶(しょうきょう)2=元弘(げんこう)3年(1333)死去とする説もある。大和(奈良県)出身。初名は近葛。著作に「続教訓抄」「掌中要録」など。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狛朝葛」の意味・わかりやすい解説

狛朝葛
こまともかず

[生]宝治1(1247)
[没]元弘3(1333)
鎌倉時代の雅楽家。奈良の興福寺に所属した楽家の一つ狛家の出身。『教訓鈔』の著者狛近真 (ちかざね) の孫。童名海王丸。祖父の『教訓鈔』を引継いで『続教訓鈔』を著わす。ほかに左方舞譜『掌中要録』『掌中要録秘曲』も残した。

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世界大百科事典(旧版)内の狛朝葛の言及

【長谷雄卿草紙】より

…その後長谷雄は路上で鬼に責められるが,北野天神を念じて鬼を退散させるところまでを描く。同様な説話は,1270年(文永7)唐楽舞師狛朝葛(こまあさかつ)(1249‐1333)撰《続教訓抄》にもみられ,この絵巻も何らかの古い伝承にもとづいたものと考えられる。絵の各段は物語の筋を忠実にたどって進むが,いずれも単純な画面構成の中に大柄な人物を配した単調な描写に終始し,人物描写においてもいささか卑近な容貌など通俗化した表現で雅趣に乏しい。…

※「狛朝葛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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