猿払(読み)さるふつ

改訂新版 世界大百科事典 「猿払」の意味・わかりやすい解説

猿払[村] (さるふつ)

北海道北部,宗谷支庁宗谷郡の村。人口2825(2010)。東はオホーツク海に面し,北西隣の稚内市に至る天北線転換バス(宗谷バス)が通じる。役場の所在する集落は北部の鬼志別(おにしべつ)。地名はアイヌ語で〈サ葦原)川の河口〉の意で,1878年宗谷郡6村設定の公示で〈猿払〉の文字が当てられた。1920年鬼志別まで鉄道が通じ(現在は廃線),24年宗谷村から分村,独立した。酪農漁業,林業を主とし,近年酪農が伸長し,ホタテガイ養殖が盛んになった。国有林と村外所有者の大面積社有林が多い。海岸部の低湿地帯は東天北原野と呼ばれる広い未開の原野で,その一部は北オホーツク道立自然公園に指定されている。浜鬼志別には,39年沖合で遭難死者・行方不明702人)したソ連船インディギルカ号の慰霊碑がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報