玉衣(読み)タマギヌ

デジタル大辞泉 「玉衣」の意味・読み・例文・類語

たま‐ぎぬ【玉衣/衣】

玉を飾ったような美しい衣服。りっぱな衣服。たまごろも。
白妙の露の―上にきてからなでしこの花やねぬらん」〈夫木・九〉

たま‐ごろも【玉衣/珠衣】

たまぎぬ」に同じ。
「雲晴れぬ五月きぬらし―むつかしきまで雨じめりせり」〈六条宰相家歌合〉

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精選版 日本国語大辞典 「玉衣」の意味・読み・例文・類語

たま‐ごろも【玉衣・珠衣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たまぎぬ(玉衣)
    1. [初出の実例]「雲はれぬさ月きぬらしたま衣むつかしきまで雨じめりせり〈源俊頼〉」(出典:永久四年六月四日参議実行歌合(1116))
  3. 衣の裏に宝珠が縫いつけられてあるのを知らず、諸国を流浪したという「法華経‐五百弟子受記品」の比喩における、珠を縫いこんだ衣。
    1. [初出の実例]「たまころも身を離れずと聞けどなほ光見ねばやありとしもなき〈藤原雅有〉」(出典:夫木和歌抄(1310頃)三四)

たま‐ぎぬ【玉衣・珠衣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「たま」は美称 ) 美しい衣服。立派な衣服。ぎょくい。たまごろも。
    1. [初出の実例]「白妙の露の玉きぬ上にきてからなでしこの花やねぬらん〈よみ人しらず〉」(出典:夫木和歌抄(1310頃)九)

ぎょく‐い【玉衣】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「玉」は美称 ) 天子貴人の衣服。また、美しい衣。立派な衣。ぎょくえ。〔列子‐周穆王〕

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普及版 字通 「玉衣」の読み・字形・画数・意味

【玉衣】ぎよくい

貴顕の人の美しい衣服。また、玉製の喪衣。玉の小薄片を綴って屍体を包んだ。〔列子、周穆王〕日日、玉衣を獻じ、旦旦、玉む。

字通「玉」の項目を見る

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改訂新版 世界大百科事典 「玉衣」の意味・わかりやすい解説

玉衣 (ぎょくい)
yù yī

金縷玉衣(きんるぎょくい)

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世界大百科事典(旧版)内の玉衣の言及

【玉器】より

…駔圭(そけい),駔璋(そしよう)などと呼ばれる。これから発達したのが前2世紀ころの貴族が埋葬に使った玉衣で,小さい玉板を金や銀の針金でとじて死体を完全に包むようにしたものである。【林 巳奈夫】。…

【金縷玉衣】より

…1968年,河北省の満城漢墓で,棺内から発見された中山靖王夫妻のものが有名である。靖王劉勝の玉衣は,2498枚の玉片を約1100gの金の撚糸で綴ったもので,全長が1.88mになり,頭部(前,後),胴衣(前,後),左右の腕と手,左右の脚と足の部分に分けてつくられている。妻,竇綰(とうわん)の玉衣は玉片の数,金の撚糸ともにわずかに少ない。…

※「玉衣」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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