現・著・顕(読み)あらわれる

精選版 日本国語大辞典 「現・著・顕」の意味・読み・例文・類語

あらわ・れる あらはれる【現・著・顕】

〘自ラ下一〙 あらは・る 〘自ラ下二〙
① 隠れていた物事が、はっきり見えるようになる。表に出てくる。
※百法顕幽抄平安中期点(900頃)「陽に接きて孤り標(アラハレ)て特に起れり」
※新勅撰(1235)雑一・一〇九四「この里はしぐれにけりな秋の色のあらはれそむる峰のもみぢば〈如願〉」
② 隠していた物事が人に知られる。発覚する。露見する。
書紀(720)持統称制前(北野本訓)「皇子大津、謀反(みかどをかたぶ)けむとして発覚(アラハレ)ぬ」
源氏(1001‐14頃)薄雲「もろこしにはあらはれてもしのびても乱りがはしき事いと多かりけり」
※浮世草子・好色一代男(1682)三「さすがおろか成(なる)やりくりにて、後はあらはれてむごく見かぎられて」
神仏が姿や霊験を現わす。示現する。
※書紀(720)履中五年三月(熱田本訓)「筑紫に居(ま)します三はしらの神宮(おほみや)の中に見(アラハレ)て言はく」
※源氏(1001‐14頃)真木柱「心浅き人のためにぞ寺の験(げん)もあらはれける」
④ それまでなかったものが出現する。
大鏡(12C前)五「なほこの無量寿院いとめでたく、極楽浄土のこの世にあらはれけると見えたり」
名声功績などが、世間に広くはっきりと知られるようになる。
史記抄(1477)一一顔回孔子にほめられてこそ、名はあらわれたれ」

あらわれ あらはれ【現・著・顕】

〘名〙 (動詞「あらわれる(現)」の連用形名詞化)
① 現われ出ること。また、そのもの。〔倭語類解(17C後‐18C初)〕
大阪の宿(1925‐26)〈水上滝太郎〉一一「人々の熱情のあらはれだ」
② (人に知られるの意から) 交際開始。また、そのときの宴。村入りの宴や出産祝いをいう場合もある。

あらわ・る あらはる【現・著・顕】

〘自ラ下二〙 ⇒あらわれる(現)

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