瓦屋(読み)かわらや

精選版 日本国語大辞典 「瓦屋」の意味・読み・例文・類語

かわら‐や かはら‥【瓦屋】

〘名〙
① 瓦ぶきの屋根。また、その家。
書紀(720)舒明即位前(図書寮本訓)「父子共に死りぬ。乃ち同じ処に埋む。唯し兄子(このかみ)にあたる毛津のみ、尼寺瓦舎(かはらヤ)逃匿(にけかく)る」
金葉(1124‐27)連歌・六四六「かはら屋を見て かはら屋の板葺にても見ゆるかな〈よみ人しらず〉 土くれしてや作りそめけむ〈助俊〉」
② 瓦を焼くかまど。また、そのかまどのある建物
延喜式(927)三四「作瓦窯(かはらや)十烟
※後拾遺(1086)恋四・八一八「わが心かはらん物かかはらやの下たくけぶりわきかへりつつ〈藤原長能〉」
③ 瓦を焼いたり、瓦で屋根を葺(ふ)いたりする職人。瓦師。また、それを職業とする家。〔日葡辞書(1603‐04)〕

が‐おく グヮヲク【瓦屋】

〘名〙 瓦ぶきの建物。かわらや。
家伝(760頃)下「仍営飾京邑及諸駅家、許人瓦屋赭堊渥飾、至于季秋、毎与文人才子、集習宜之別業、申文会也」

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デジタル大辞泉 「瓦屋」の意味・読み・例文・類語

かわら‐や〔かはら‐〕【瓦屋】

瓦師。また、瓦を売る人。
瓦葺きの屋根。また、その家。
「―の板葺きにても見ゆるかな土くれしてや造りそめけむ」〈金葉・雑上上〉
瓦を焼くかまど。また、それのある建物。
「むせぶとも知らじな心―に我のみ消たぬ下の煙は」〈新古今・恋四〉

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普及版 字通 「瓦屋」の読み・字形・画数・意味

【瓦屋】がおく(ぐわをく)

き。〔墨子、備突〕竇(とう)(窯竈の孔)門に入ること四、五尺、其の門上を瓦屋と爲し、水潦をして能く入らしむること毋(な)し。

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