生体のはたらきを支えるホルモン

六訂版 家庭医学大全科 の解説

生体のはたらきを支えるホルモン
(内分泌系とビタミンの病気)

 体全体を調節する機能を担うものには、大きく分けて神経系と内分泌系とがあります。神経系はちょうど電話のような情報伝達系で、神経の走行に沿って狭い範囲に電気信号を使って迅速に情報を伝達します。

 一方、内分泌系は郵便のような情報伝達系で、ちょうど葉書の役割にあたるホルモン血液のなかに入って流れ、郵便受けの役割にあたるホルモン受容体に結合すると情報が伝達されます。したがって情報伝達の速度はゆっくりですが、ホルモン受容体のあるところなら全身のどこにでも情報が伝達されます。

 ホルモンというと性ホルモンが思い浮かびますが、今では100以上のホルモンが見つかっており、それぞれ固有の役割をもっています。ホルモンを分泌する臓器としては、間脳(かんのう)視床下部(ししょうかぶ))、下垂体(かすいたい)甲状腺副甲状腺副腎卵巣精巣があり、これらは内分泌臓器と呼ばれ、多くのホルモンを分泌しています。

 それ以外にも心臓の心房細胞からはナトリウム利尿ホルモンが、脂肪細胞からはレプチンが、胃からはグレリンがというように、従来は内分泌臓器ではないと考えられていた臓器からもホルモンが分泌されていることがわかってきました。

 これらのホルモンがそれぞれ微妙なバランスをとって生殖食欲飲水睡眠など、生体の根元的なはたらきを支えているので、ホルモンバランスが崩れるとさまざまな症状が現れてきます。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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