産山(読み)うぶやま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「産山」の意味・わかりやすい解説

産山(村)
うぶやま

熊本県北東部、阿蘇郡(あそぐん)にある村。名を阿蘇大神降誕の伝承によったこの村は、その北東半を久住(くじゅう)系火山岩、南西半を阿蘇溶結凝灰岩で占められ、標高約600~1000メートルの高原からなっている。村の南端を通る国道57号に直結する県道小国(おぐに)―産山―笹倉(ささくら))が整備されるまでは、文字どおりの僻地(へきち)であった。しかし、灌漑(かんがい)施設の発達は早く、水稲に和牛、トウモロコシ菜種組合せ農業経営の基本型であった。現在は、入会(いりあい)原野造成、草地改良などが結実し、高冷地野菜、乳牛飼育も盛んである。また、やまなみハイウェイの開通(1964)は、本村にキャンプ場の開設、さらに山菜(シイタケを含む)加工場創設を促した。面積60.81平方キロメートル(一部境界未定)、人口1382(2020)。

[山口守人]


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改訂新版 世界大百科事典 「産山」の意味・わかりやすい解説

産山[村] (うぶやま)

熊本県阿蘇郡の村。人口1606(2010)。県北東端に位置し,東は大分県に接する。南西部には阿蘇外輪山北東部の,北部には九重山麓にあたる山林原野が広がり,大野川支流樹枝状に谷を刻んで東流する。農業が主産業で,赤牛の肥育米作が中心で,シイタケの栽培も行われる。和牛繁殖経営は,夏山冬里方式をとっている。北西境沿いを九州横断道路が走り,これを中心とする観光開発が進められている。北部は阿蘇くじゅう国立公園に含まれる。
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