用捨(読み)ヨウシャ

デジタル大辞泉 「用捨」の意味・読み・例文・類語

よう‐しゃ【用捨】

用いることと、捨てること。取捨。また、その判断力
まつりごと善悪を見るには、賢臣の―を見るにしかず」〈太平記・一三〉
必要としないこと。やめること。
「年せんさくは―あるべし」〈浮・一代男・二〉
容赦ようしゃ

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精選版 日本国語大辞典 「用捨」の意味・読み・例文・類語

よう‐しゃ【用捨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 用いることと捨てること。採用することとしないこと。取捨。
    1. [初出の実例]「物之用捨、天亦施為」(出典:菅家文草(900頃)七・清風戒寒賦)
    2. 「一代の仏経をはじめ、一切世間の道法名教に対し、用捨(ヨウシャ)活殺の自由を占めて居るのが、法華経であるから」(出典:本化摂折論(1902)〈田中智学〉一)
    3. [その他の文献]〔晉書‐范弘之伝〕
  3. ( 思慮にもとづいて行なわれるところから ) 採否・良悪・正邪などの判断力。分別。考え。
    1. [初出の実例]「子息兵庫貞宗は用捨ある人にて」(出典:細川勝元記(15C後))
  4. 用いないこと。必要としないこと。また、やめること。辞退すること。
    1. [初出の実例]「仮初にもかかる一座にて、年せんさくは用捨(ヨウシャ)あるべし」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)二)
  5. ゆるすこと。大目に見ること。寛容すること。容赦
    1. [初出の実例]「Yôxa(ヨウシャ) スル」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    2. 「ぬす人の取のこしと申事があれば、御用捨(ごヨウシャ)を頼みます」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)四)
  6. ひかえめにすること。遠慮すること。手加減すること。容赦。
    1. [初出の実例]「対愚老御用捨之段畏入候」(出典:高野山文書‐文祿四年(1595)一一月二三日・興山上人応其書状)
  7. 自重すること。自愛すること。
    1. [初出の実例]「少々御腫物にて御難義遊ばし候由、随分御用捨専一に可成候」(出典:黒住教教書(1909‐20)文集・文政四年一二月朔日)

用捨の語誌

→「ようしゃ(容赦)」の語誌

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普及版 字通 「用捨」の読み・字形・画数・意味

【用捨】ようしや

採否。用不用。〔旧唐書、顔真伝〕眞、皇ひ、先づ五陵・九して、而る後に宮にらんことをふ。宰相元載、眞に謂ひて曰く、の見る美なりと雖も、其の事宜に合はざるを如何せんと。眞怒りて、(すす)みて曰く、用は相に在るのみ。言ふ何の罪かあらんと。

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