容赦(読み)ヨウシャ

デジタル大辞泉 「容赦」の意味・読み・例文・類語

よう‐しゃ【容赦】

[名](スル)
ゆるすこと。大目に見ること。
「もう遣り切れないと云った様子先刻から見せている津田を毫も―しなかった」〈漱石明暗
手加減すること。控え目にすること。「容赦なく追及する」
[類語](1厳しい許可承知認可許諾承認認許允許いんきょ允可いんか容認許容聴許裁許免許公許官許許しオーケーライセンス勘弁裁可特許宥恕黙許批准堪忍寛恕海容目こぼし見て見ぬ振り(―する)許す認める見逃す見過ごす大目に見る目をつぶる/(2手加減匙加減お手盛り手心を加える手心お手柔らか手柔らかお情け斟酌酌量忖度そんたく心配り気配り心遣い気遣い

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「容赦」の意味・読み・例文・類語

よう‐しゃ【容赦・容捨】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ようしゃ(用捨)
    1. [初出の実例]「近来容赦と書く人もあり。これは偏にゆるす方也」(出典:志不可起(1727))
    2. [その他の文献]〔隋書‐酷吏伝・趙仲卿〕
  3. ようしゃ(用捨)
    1. [初出の実例]「閉門たるべし。若し少しなりとも容赦する者あらば、後日に難儀致すべし」(出典:歌舞伎・傾城仏の原(1699)一)

容赦の語誌

( 1 )用捨」の意味領域の拡大によって生じた和製漢語。江戸前期の辞書「志不可起」には、「用捨」の意味が広がり、無用や辞退の意にも使用されたことが指摘されている。また本居宣長「玉勝間‐八」には「ゆるすことを、俗言に、用捨するといふは」とあり、この用法漢籍に見られる「容捨」と混用したものと指摘している。
( 2 )明治前期の「和英語林集成(初版)」や、「言海」、「日本大辞書」では「容赦」と「用捨」とは別語としているが、実際には、大正時代頃まで「容赦」と「用捨」は区別されずに用いられている。
( 3 )漢籍に見られる「容捨」の表記は広まらなかった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「容赦」の読み・字形・画数・意味

【容赦】ようしや

ゆるす。

字通「容」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android