由良町(読み)ゆらちよう

日本歴史地名大系 「由良町」の解説

由良町
ゆらちよう

面積:三〇・五七平方キロ

日高郡の西北端にあり、北東有田郡広川ひろがわ町、南は日高町と接している。東方には日高郡と有田郡の境界白馬しらま山脈が連なる。西は紀伊水道に面し、海岸線には石灰石の奇岩が点在して優れた景観を呈し、「万葉集」にもこの地を詠んだ歌がいくつかある。町の西端白崎しらさきを中心とする海岸線は昭和三三年(一九五八)県立自然公園に指定された。町の大半は山林で、山が海岸に迫り、平野は由良川に沿った地域にわずかに広がる。蜜柑栽培が盛んで、漁業沿海漁業が中心である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「由良町」の意味・わかりやすい解説

由良〔町〕
ゆら

和歌山県西部,紀伊水道にのぞむ町。 1948年町制。 55年白崎村,衣奈 (えな) 村と合体。中心集落はリアス式湾入の湾奥にある由良港にのぞみ,江戸時代,廻船の寄港する港町として発展。第2次世界大戦前まで海軍の停泊地であった。 73年造船所が進出。漁業を主とするが,柑橘類の栽培も行われる。西端部には万葉の時代から知られ,歌枕となった白崎があり,ガジュマルの茂る大引・衣奈海岸とともに白崎海岸県立自然公園に属する。門前の大岩は石灰岩の露頭で天然記念物。虚無僧本山として知られる興国寺がある。 JR紀勢本線,国道 42号線が通じる。面積 30.94km2(境界未定)。人口 5364(2020)。

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