異称日本伝(読み)いしょうにほんでん

精選版 日本国語大辞典 「異称日本伝」の意味・読み・例文・類語

いしょうにほんでん【異称日本伝】

江戸初期の史書。三巻。京都の儒医松下見林の著。元祿元年(一六八八刊行中国の漢から元、明代にわたる史書と朝鮮の史書から日本関係の記事を抄出し、「今按…」として日本の史料等を引用しながら私見を加えたもの。

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デジタル大辞泉 「異称日本伝」の意味・読み・例文・類語

いしょうにほんでん【異称日本伝】

江戸初期の史書。3巻。京都の儒医松下見林著。元禄6年(1693)刊。中国・朝鮮の史書から日本関係の記事を抜き出して編集したもの。

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百科事典マイペディア 「異称日本伝」の意味・わかりやすい解説

異称日本伝【いしょうにほんでん】

京都の漢方医松下見林(西峰散人)〔1637-1703〕の著。3巻。1688年序,1693年刊。漢〜元(上巻),明(中巻),朝鮮(下巻)のそれぞれの国の史書からおよび日本・琉球蝦夷に関する記事を抄出し,ほぼ年代順に並べ,日本の史書を徴引してこれを訂正したもの。引用書127種,邪馬台国についての論証もある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「異称日本伝」の意味・わかりやすい解説

異称日本伝
いしょうにほんでん

京都の儒医松下見林(けんりん)(1637―1703)が中国・朝鮮の典籍から日本関係記事を抄出して、日本の書物をも引用して考証・訂正を施し、編纂(へんさん)した書物。上巻3冊、中巻8冊、下巻4冊からなり、上巻には漢代から元(げん)まで、中巻には明(みん)を、下巻には斯盧(しろ)(朝鮮)の書を載せる。その引用書は127部を数え、完成まで30余年の歳月を費やした。「元禄(げんろく)元年戊申(ぼしん)」の自序があり、1694年(元禄7)に刊行された。『改訂史籍集覧』『新註(しんちゅう)皇学叢書(そうしょ)』に所収。

[加藤榮一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「異称日本伝」の意味・わかりやすい解説

異称日本伝
いしょうにほんでん

外交史書。3巻 15冊。京都の儒者松下見林著。元禄1 (1688) 年成立。同7年刊。中国や朝鮮の歴史書から日本関係の記事を抜粋し,これに見林が考証と批評を加えたもの。外交関係史としては日本初の試み。『史籍集覧』そのほか収載

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旺文社日本史事典 三訂版 「異称日本伝」の解説

異称日本伝
いしょうにほんでん

江戸中期,松下見林の外交史書
1688年成立。3巻15冊。中国・朝鮮の諸書から日本に関係する記事を抜き出し考証を加えたもの。

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