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相互乗(り)入れ ソウゴノリイレ

デジタル大辞泉の解説

そうご‐のりいれ〔サウゴ‐〕【相互乗(り)入れ】

[名](スル)
経営主体の異なる交通機関が互いに相手の路線に車両などを入れて運行すること。相互直通運転。「私鉄と地下鉄が相互乗り入れする区間」
異なる業者どうしが互いに設備・組織などを利用すること。「信用金庫と都市銀行の相互乗り入れ

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世界大百科事典 第2版の解説

そうごのりいれ【相互乗入れ】

異なる鉄道運輸事業者が,乗換えによる旅客の不便解消,ターミナルの混雑緩和を目的として,それぞれの営業区間に相互に車両の乗入れを行う輸送形態をいう。旅客車の相互乗入れは,貨車に比べ比較的新しいが,近年都市周辺では急激に増加している。相互乗入れを行うためには,軌道,車両,信号,運転方式などすべてにわたり規格の統一が必要である。また乗務員は原則として接続駅において交替し,車両のみが直通運転され,これに伴う費用の精算は相互の乗入れ本数,車両数に応じて線路使用料をそれぞれ支払う形態が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

相互乗入れ
そうごのりいれ

経営の異なるバスや鉄道が同一の路線を運行することをいう。鉄道の場合、列車の乗入れと車両の乗入れがある。日本では、鉄道国有化前には、官設鉄道や私設鉄道各社が、相互に列車の乗入れを行うことが多かったが、鉄道国有化後は、主要私鉄が国有化されたため、列車の相互乗入れは局地的なものとなった。しかし、第二次世界大戦後、東京、大阪、福岡などの大都市で、国鉄(現、JR)、私鉄と地下鉄道との相互乗入れによる混雑緩和の方策が実施されるようになった。また、大都市以外でも、JRと私鉄(伊豆急行)、JRと第三セクター(北越急行、阿武隈(あぶくま)急行、智頭(ちず)急行など)との列車相互乗入れの例がある。これに対し、車両の乗入れは、列車の一部の車両を他社線に乗入れさせる方式で、いわゆる地方線や観光路線にみられる。かつての南海鉄道難波(なんば)発の客車が、東和歌山駅で国鉄紀勢西線(きせいさいせん)(現、紀勢本線)の準急行(のち快速)「くろしお号」に連結、運転されたのがこれにあたる。現在では、JR阪和線の快速列車の一部(3~5両)を日根野駅で分割、関西空港株式会社線に乗入れ、関西空港駅まで運転する例がある。ヨーロッパなどでは国際列車の車両を、他国の線路を運行する列車に連結して乗入れる方式が多くみられる。
 バスについては、ごく一般に行われ、高速道路を走行する長距離バスは、その多くが複数企業によって同一路線を運行する方式をとっている。都市および近郊のバス路線では、たとえば東京では、第二次世界大戦終結まで国鉄の山手(やまのて)線を境にして内部は都営、外部は民営のバス会社がおのおの独占的に運営していたが、戦後、連合国最高司令部(GHQ)の指導によって相互に乗入れを開始した。
 鉄道の相互乗入れの場合、各会社は相互の乗入れキロ程、車両数に応じて線路使用料を支払い、連絡運輸をしている。乗務員は原則として接続駅において交替する。ただバスと異なり、鉄道は軌間(ゲージ)の制約を受ける。各私鉄はゲージが異なるので、相互乗入れをしている地下鉄は、相互の規格統一はできていない。たとえば、京成電鉄と京浜急行電鉄に乗入れている都営地下鉄浅草線のゲージは1435ミリメートル、京王電鉄に乗入れている都営地下鉄新宿線は1372ミリメートルである。東京周辺ではこのほかJR中央線・総武線と東京メトロ東西線、JR常磐線と東京メトロ千代田線および小田急電鉄、東武鉄道と東京メトロ日比谷線、東京メトロ副都心線と東京急行電鉄東横線、東京メトロ半蔵門線と東京急行電鉄田園都市線および東武鉄道などのほか数多くの相互乗入れが行われている。また、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡各市でも相互乗入れが行われている。[大島藤太郎・原田勝正]

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世界大百科事典内の相互乗(り)入れの言及

【京成電鉄】より

…最初は1372mm軌間を採用していたが,東京都営地下鉄(浅草線)および京浜急行電鉄と3社直通運転を行うにあたり,59年標準軌間に改められた。これにより60年に押上から都営地下鉄が開通した際,日本最初の地下鉄・郊外民鉄間の相互乗入れを開始した。通勤輸送のほか成田山への参詣客輸送,成田空港への航空旅客輸送など,客種は多様である。…

※「相互乗(り)入れ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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