真禅寺(読み)しんぜんじ

日本歴史地名大系 「真禅寺」の解説

真禅寺
しんぜんじ

[現在地名]可児市西帷子

鳩吹はとふき山南麓にある。普伝山と号し、臨済宗妙心寺派。本尊聖観音。寺伝によれば行基が鳩吹山奥洞で修行して刻んだのが、当寺本尊という。文永年中(一二六四―七五)備中国井山宝福ほうふく(現岡山県総社市)鈍庵により一寺が建立され、不伝山真禅寺と号した。その後荒廃し、永正八年(一五一一)土田どた城主生駒道寿が堂宇を建立し、同氏の菩提寺となった。天正二年(一五七四)生駒甚助が土田退去のとき当寺の僧も同行し、以後無住となったという。同一一年六月二二日金山かねやま(現可児郡兼山町)城主森長可により「ミゾ山」などで計八貫二〇六文の地を寺領として与えられた(「寺領宛行状」岐阜県続古文書類纂)


真禅寺
しんぜんじ

[現在地名]畑野町大久保

大久保白山神社の境内にある。真言宗豊山派、文清山と号する。本尊大日如来。養和元年(一一八一)開基と伝える。また旧山号を文覚山といい、正治元年(一一九九)に配流されたという文覚(遠藤盛遠)の開基とも伝える。寺から約三〇〇メートル南の沢を登った所に奥院があり、すぐ脇に文覚が行をしたという鍋倉なべくらの滝がある。滝の近くに四基の積石塚が並び、文覚に従った弟子たちの墓と伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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