室町中期の画家。号は秀峰。将軍足利義持(あしかがよしもち)・義教(よしのり)・義政(よしまさ)3代に仕えた同朋衆(どうぼうしゅう)で、能阿弥(のうあみ)ともよばれる。三阿弥の一人で、子に真芸(芸阿弥)、孫に真相(相阿弥)がいる。連歌(れんが)、香、唐物(からもの)の鑑定、座敷飾り、表具など多方面で活躍した。水墨画に長じ、牧谿(もっけい)風の柔らかな描線と滋潤な墨色を特徴とした。伝称作品は多いが、唯一の真跡(しんせき)とみられるのは、1468年(応仁2)子の周建の供養のために描いた『白衣(びゃくえ)観音図』をあげるにすぎない。また連歌師としても著名で、北野会所を主宰し、宗祇(そうぎ)のいわゆる七賢の一人にも数えられ、その作品は『竹林抄』『新撰菟玖波集(しんせんつくばしゅう)』にとられている。唐物奉行(ぶぎょう)としての職掌から中国画に広く精通し、将軍家に伝来した90点余の宋元画(そうげんが)を分類・整理した『御物御画(ぎょもつおんえ)目録』は彼の編集ともいわれる。なお、三阿弥を中心とした画派を阿弥派と称している。
[榊原 悟]
『衛藤駿著『日本美術絵画全集6 相阿弥/祥啓』(1981・集英社)』
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…足利義政に仕えた同朋衆(どうぼうしゆう)の一人で,幕府関係の芸能全般に幅広く活躍した。真能ともいう。その職は子の芸阿弥,孫の相阿弥に継承され,阿弥派もしくは三阿弥の祖として知られる。…
※「真能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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