竹林抄(読み)チクリンショウ

デジタル大辞泉 「竹林抄」の意味・読み・例文・類語

ちくりんしょう〔チクリンセウ〕【竹林抄】

室町中期の連歌撰集。10巻。宗祇撰。文明8年(1476)成立中国竹林の七賢になぞらえて、宗祇が連歌の名匠として選んだ、宗砌そうぜい・賢盛(宗伊)・心敬行助専順智蘊ちうん・能阿の七人付句発句を収めたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「竹林抄」の意味・読み・例文・類語

ちくりんしょう‥セウ【竹林抄】

  1. 室町中期の連歌私撰集。一〇巻。宗祇撰。文明八年(一四七六)頃成立。宗祇の私淑する連歌作者宗砌(そうぜい)・賢盛(かたもり)(宗伊)・智蘊(ちうん)(親当)・行助(ぎょうじょ)・専順・心敬・能阿の七人、いわゆる連歌七賢の句を選び編んだもの。名称竹林の七賢にちなむ。

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改訂新版 世界大百科事典 「竹林抄」の意味・わかりやすい解説

竹林抄 (ちくりんしょう)

連歌撰集。宗祇編。1476年(文明8)成立。10巻。宗祇が宗砌(そうぜい),賢盛(宗伊),心敬,行助(ぎようじよ),専順,智蘊(ちうん)(親当),能阿の同時代の先輩連歌師7人の作品から佳句を選んだもの。春夏秋冬恋旅雑および発句に部類。書名は竹林七賢の故事にちなむが,一条兼良の序文によると命名者は宗祇自身とおぼしく,作例の範を自他のためにのこそうとした編集意図がうかがえる。連歌の隆盛期において宗祇にも影響を与えた代表的名手の作品集として,連歌史上独自の価値をもつばかりでなく,宗祇を研究するうえにも重要。後年の《新撰菟玖波(つくば)集》編集の際その基礎の一つともなった。

 伝存諸本に多少の異同があるが,収録数は付句1548句,発句286句前後。注釈書に兼載講とおもわれる《竹聞(たけぎき)》等がある。〈あかぬこころぞ花にそひゆく 山かくす霞のひまのたえだえに〉(専順),〈さまざまにこそふたり成ぬれ 愚にや生れん後を契るらむ〉(心敬)。
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百科事典マイペディア 「竹林抄」の意味・わかりやすい解説

竹林抄【ちくりんしょう】

室町時代の連歌撰集。10巻2冊。宗祇編。1476年成立。当世連歌の先達として,宗砌(そうぜい),賢盛(かたもり),心敬,行助(ぎょうじょ),専順,智蘊(ちうん),能阿(能阿弥)を選び,竹林の七賢に擬し,付句と発句約1800を収める。一条兼良の序文を付す。
→関連項目新撰菟玖波集

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「竹林抄」の意味・わかりやすい解説

竹林抄
ちくりんしょう

室町中期の連歌撰集(れんがせんしゅう)。宗祇(そうぎ)編。1476年(文明8)成る。宗祇が「近き世」の連歌の名匠たちとして選んだ、宗砌(そうぜい)、宗伊(そうい)(杉原賢盛(かたもり))、心敬(しんけい)、行助(ぎょうじょ)、専順(せんじゅん)、智蘊(ちうん)(蜷川親当(にながわちかまさ))、能阿(のうあ)の7人を、中国の竹林の七賢になぞらえて、その作品を収集編纂(へんさん)したもの。諸本により出入りがあるが、もっとも多い本で総句数1837句(うち発句288句)。採録句数のとくに多いのは、心敬、宗砌、専順。一条兼良(かねら)が序を寄せて成立事情を述べている。句の傾向は宗祇好みの幽玄有心(ゆうげんうしん)を中心とするとされるが、非貴族的な地下(じげ)連歌独特の強い調子のものも少なくない。

奥田 勲]

『星加宗一編『校本竹林抄』(1937・岩波書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「竹林抄」の意味・わかりやすい解説

竹林抄
ちくりんしょう

室町時代の連歌集。宗祇 (そうぎ) 撰。一条兼良 (かねら) 序。 10巻。文明8 (1476) 年成立。宗祇が連歌の先達7人を竹林の七賢に擬し,その句を集めたもの。宗砌 (そうぜい) ,宗伊,心敬,行助,専順,智蘊 (ちうん) ,能阿の付句 1500句余,発句 280句余を収める。宗祇の考え方を探る好資料であり,また宗祇の時代の連歌を知るためにも重要な集。

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