デジタル大辞泉 「眼高手低」の意味・読み・例文・類語 がんこう‐しゅてい〔ガンカウ‐〕【眼高手低】 理想は高いが実行力が伴わないこと。特に、批評する力はあるが創作力がないこと。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「眼高手低」の意味・読み・例文・類語 がんこう‐しゅていガンカウ‥【眼高手低】 〘 名詞 〙 理想ばかり高くて実行する力が伴わないこと。批評はうまいが創作力の低いこと。[初出の実例]「僕は━相かはらず眼高手低の嘆を漏らしながら」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉巻外) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「眼高手低」の解説 眼高手低 理想ばかり高くて実行する力が伴わないこと。批評はうまいが創作力の低いこと。 [使用例] 我々の中で久米だけは、彼自身の占めている、或は占めんとする、文壇的地位に相当な自信を持っていた。そうしてその自信がまた一方では、絶えず眼高手低の歎を抱いている我々に、我々自身の自信を呼び起す力としても働いていた[芥川龍之介*あの頃の自分の事|1918] [使用例] 私の生涯は眼高手低というていいのか。眼高ということすらもおこがましいが、かえりみて、ここに我ありと言いうるたぐいのひとつの物すら残していない悲しさが時に沁しみ々じみせつないのだね[坂口安吾*吹雪物語|1938] [解説] 手塚治虫の短編アニメ「展覧会の絵」に、背が低く、カニのように腕の長い評論家が登場します。 道路工事の作業員を前に、難しい穴掘りの理論を解説する彼。ところが、作業員が「じゃあ、あんたが掘れ」とばかりにスコップを渡すと、評論家は逃げだしてしまいます。 これこそ、まさしく絵に描いた「眼高手低」です。目だけは高いところを見ているものの、たとえ実行を迫られても、手には低い技術力しかない。手塚はそういう人をからかったのです。 現代の俗語では、偉そうなことを言うだけで、実行を伴わない人のことを「やるやる詐欺」「言うだけ番長」などと批判します。これも「眼高手低」と通じる意味のことばです。あれこれ言う前に、まずは実力を蓄えることが大事です。 例文の[あの頃の自分の事]で、筆者の芥川龍之介は、自分の眼高手低を嘆きます。その一方、友人にパワーをもらっているといいます。友人の名は久く米め正まさ雄お。デビューの頃から理論と実力を兼ね備えた、眼高「手高」の若者でした。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報