石灰質肥料(読み)せっかいしつひりょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「石灰質肥料」の意味・わかりやすい解説

石灰質肥料
せっかいしつひりょう

カルシウムを主成分とする肥料をいう。作物の栄養源としてもたいせつであるが、主として日本に多い酸性土壌の中和剤として用いられている。炭酸カルシウム、生石灰消石灰のようなカルシウム塩と、苦土炭カル(ドロマイト)、苦土石灰のようなマグネシウムをあわせて含むもの、カーバイド滓(かす)など工業的に副生するもの、カルシウム塩を主体とする配合肥料などがある。いずれも塩基性肥料である。広義にはカルシウムを含む肥料は石灰質肥料であるが、石灰窒素過リン酸石灰などはいずれも窒素肥料リン酸肥料に属し、石灰質肥料とはよばない。

[小山雄生]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石灰質肥料」の意味・わかりやすい解説

石灰質肥料
せっかいしつひりょう
liming materials

カルシウムを主成分とした肥料。カルシウムは炭素水素窒素,マグネシウムとともに植物の生長に必要な元素であり,施用量も多く,特殊成分肥料として重視されている。生石灰,消石灰,炭酸カルシウム肥料,副産石灰の種類がある。土壌酸性の矯正を主要目的とし,また微生物繁殖,有機物の分解,土壌団粒構造の発達を促すためにも使用される。水田での緑肥すき込みの際の分解促進には欠くことのできないもの。

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