イエローケーキ

デジタル大辞泉 「イエローケーキ」の意味・読み・例文・類語

イエローケーキ(yellowcake)

ウラン鉱石を精錬して得られる、不純物の多いウランの粉末黄色で、約70パーセントのウラン成分が含まれている。

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精選版 日本国語大辞典 「イエローケーキ」の意味・読み・例文・類語

イエロー‐ケーキ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] yellowcake ) 重ウラン酸アンモニウムという黄色のウラン化合物一種。鉱石からウランを採取し、一次製品とする過程で、ウランを精製するときに生じる。

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化学辞典 第2版 「イエローケーキ」の解説

イエローケーキ
イエローケーキ
yellow cake

ウラン鉱石を溶解し,イオン交換樹脂法や溶媒抽出法によってウランの濃縮と精製を行った後,沈殿剤を加えて二ウラン酸塩として沈殿させ,濾過洗浄,乾燥させたもの.通常含まれている六価のウラン(ウラニル)の色である黄色を呈するため,イエローケーキとよばれる.組成は使用される沈殿剤によって異なる.沈殿剤としてアンモニアが用いられた場合,組成は二ウラン酸アンモン(NH4)2U2O7水酸化ナトリウムの場合は二ウラン酸ナトリウムNa2U2O7,マグネシアの場合は二ウラン酸マグネシウムMgU2O7である.ただし,まだ粗工程の生成物なので,これらには不純物が含まれている.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イエローケーキ」の意味・わかりやすい解説

イエローケーキ
いえろーけーき
yellow cake

ウラン含有量を40~80%に高めたウラン精鉱のこと。ウラン鉱は採掘されたのち、粗製錬を行って輸送に便利なイエローケーキとする。鉱石は粉砕後、選鉱比重浮遊磁気による)して品位を高め、次に酸または炭酸ソーダで浸出溶解する。溶解したウランは溶媒抽出法や沈殿法により回収される。それを水洗、乾燥してイエローケーキとする。黄色の粉末でドラム缶詰めなどとして出荷される。なお、精製錬して二酸化ウランを製造するとき、ウラン酸アンモニウム塩やナトリウム塩が中間生成物として生ずるが、これもイエローケーキとよばれる。

[中島篤之助 2016年10月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イエローケーキ」の意味・わかりやすい解説

イエローケーキ
yellow cake

粗製錬したウランの総称。ウラン精鉱ともいう。各種のウラン鉱石を選鉱し,ウランの含有量を高めたのち化学処理し,大部分の不純物を除いて粗製ウラン化合物をつくる。これは黄色の粉末であることからイエローケーキと呼ばれる。ウランは二ウラン酸塩の形をとっており,ウランの含有は八三酸化ウラン U3O8 として 75%程度。通常ウラン鉱山でイエローケーキにまで製錬し,精製工場に送られ,イオン交換法,溶媒抽出法などにより精製される。ウラン鉱の取り引きは通常イエローケーキの形で行なわれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「イエローケーキ」の意味・わかりやすい解説

イェローケーキ
yellow cake

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世界大百科事典(旧版)内のイエローケーキの言及

【ウラン】より

…この溶液にアルカリやアンモニアを作用させると二ウラン酸塩(Na2U2O7,(NH4)2U2O7)の黄色沈殿が得られる。この中間生成物がイェローケーキyellow‐cakeあるいはウラン精鉱と呼ばれるもので,これにはウランが70~80%(U3O8換算)含まれる。さらに先の塩酸抽出液,あるいはイェローケーキの塩酸溶液を電解還元すると,ウランは4価のイオンU4+となり,これにフッ化水素を作用させて四フッ化ウランUF4の沈殿を得る。…

※「イエローケーキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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