硫酸カリウムアルミニウム(読み)リュウサンカリウムアルミニウム

化学辞典 第2版 の解説

硫酸カリウムアルミニウム
リュウサンカリウムアルミニウム
aluminium potassium sulfate

AlK(SO4)2(258.21).十二水和物がもっとも普通に知られ,ミョウバンカリウムミョウバンカリミョウバンなどとよばれる.単にミョウバンといえばこのものをさす.無水物は焼きミョウバンとよばれる.硫酸アルミニウム硫酸カリウム水溶液から十二水和物が得られる.無色,等軸晶系,無臭苦味をもつ.密度1.75 g cm-3.エタノールに不溶.融点92 ℃ で水和水に溶ける.水溶液は成分塩の性質を示し,硫酸アルミニウム加水分解により,弱酸性を呈する.十二水和物を200 ℃ で加熱脱水すれば無水物が得られる.無水物は無色,六方晶系で,甘味をもつ.密度2.69 g cm-3.加熱するとSO2を,さらに700 ℃ 以上に加熱するとSO3を放出して分解する.空気中では吸湿して十二水和物となる.製紙工業媒染剤顔料,皮なめし剤,セメントの硬化剤,水の浄化,化粧品,医薬品などに用いられる.[CAS 10043-67-1:AlK(SO4)2][CAS 7784-24-9:AlK(SO4)2・12H2O]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

硫酸カリウムアルミニウム
りゅうさんカリウムアルミニウム
potassium aluminum sulfate

カリウムミョウバンともいう。化学式 AlK(SO4)2・12H2O 。硫酸アルミニウムと硫酸カリウム溶液を当量反応させると生成する複塩結晶。アルミニウムを水酸化カリウムに溶かして硫酸を加えても生成する。ミョウバンの1種。 [Al(H2O)6]3+ を含み,また6個の H2O に K+ が囲まれている。媒染剤,なめし剤として用いられる。また血液凝固性があるので止血剤にも用いられる。

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