磁場によって電気抵抗が変化する素子。磁場によって物質の電気抵抗が増加する現象は1883年イギリスのケルビンによって発見され、磁気抵抗効果とよばれている。金属ではこの効果による抵抗変化はきわめて小さいが、キャリア(電荷担体)の移動度の大きい半導体では大きくなるので、このような半導体を使って磁気抵抗素子がつくられるようになった。この抵抗の変化には、抵抗率自体が変化する物理的な磁気抵抗効果(磁気抵抗率効果)と、磁場によって素子内の電流路に変化がおき、見かけ上電流通路が長くなったために素子抵抗が増加する素子形状による効果(磁気抵抗効果)がある。磁気抵抗素子は主として抵抗変化の大きい後者の効果を利用したもので、抵抗増加のようすは素子形状に依存する。すなわち、抵抗の変化率は、素子が電流を流す方向に細長いほど一般に小さくなる。また、抵抗の増加量は、磁束密度が小さいときは磁束密度の2乗に比例し、磁束密度が大きくなると1乗に比例する。材料はインジウムアンチモンInSbが主として使われ、感度をあげるため電極と平行に多数の金属層境界を入れることがある。この素子は磁場センサーや、磁気(電気の変換特性を利用した磁束)、電力等の計測器に使われている。また、特殊な使い方に無接点押しボタンスイッチ、無接触ポテンシオメーターなどへの応用がある。また、1990年代以降では、磁気記録の読出し用に金属を含めたものの磁気抵抗効果が広く用いられている。
[右高正俊]
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