コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

沿岸魚 エンガンギョ

3件 の用語解説(沿岸魚の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

えんがん‐ぎょ【沿岸魚】

陸地に近い海にすむ魚類。岩礁にすむウツボイシダイフグ、浅海の表層を泳ぐイワシニシン、その底にすむアナゴカレイヒラメなど。沿岸性魚類。

出典|小学館
デジタル大辞泉について | 情報 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

沿岸魚
えんがんぎょ
coastal fish

水深200メートル以浅の沿岸域にすみ、ここで繁殖する魚。沿岸は地形や海水の流れが複雑であるうえ、河川から栄養分が運び込まれるので、餌(えさ)となるプランクトンや藻類、小形動物が繁殖して魚類の生育に恵まれている。したがって、海水魚の進化の中心は沿岸域にあり、現在、深海や外洋にいる魚の祖先も沿岸魚から分かれたものと考えられている。沿岸魚は種類が多く、その数は9100種を超え、現生の海水魚種の約70%を占めている。陸地にもっとも近い磯(いそ)や浜辺、内湾などにはボラ類、コノシロ、ヒイラギ類、キビナゴ、ベラ類、スズメダイ類、チョウチョウウオ類、ハタ類などが生息する。これらは磯魚といい、とくにサンゴ礁域にすむものをコーラルフィッシュcoral fishとよぶ。低い塩分に対する抵抗性が強く、色彩の豊かなものが多い。季節的に多少の移動をするが、その範囲は一般に大きくない。
 岸辺より沖合いの底層には、アナゴ類、エソ類、タイ類、ニベ類、ヒラメ・カレイ類などの底魚が生息している。これらの魚類は大きな運動力はないが、産卵期や高温期には、かなり離れた浅所または高緯度域へ、また冬期には深所や低緯度域へ回遊する。一方、沿岸の表層で群れをつくり、産卵、越冬、索餌(さくじ)のため、定まった季節に一定のコースをたどって移動する魚類がある。これらを表層回遊魚といい、イワシ類、アジ類、サバ類、ブリ類などがその代表である。
 日本の周辺海域は、暖流や寒流の本流または支流に接するため、沿岸魚の種類が海域によって著しく異なる。太平洋側の中・南部や九州西岸などは黒潮の影響を受けて900種以上の魚類が生息する海域があり、その半数は熱帯種で占められている。これに比べて日本海では400種余りで、そのうち寒帯種が100種ほど入り込んでいる。北海道の沿岸は、カレイ類、タラ類、ホッケ類、ソイ・メヌケ類、カジカ類など北方起源の種類が多い。なお、沿岸魚は水産資源として重要であり、世界的にみてその漁獲量は全漁獲量の80%余りに達している。沿岸魚の生息環境の悪化に伴い漁獲量が減少していることから、沿岸漁業の回復を目的として、魚礁、藻場(もば)の造成などの事業が日本各地で行われている。[落合 明・尼岡邦夫]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

今日のキーワード

稀勢の里寛

1986- 平成時代の力士。昭和61年7月3日生まれ。中学卒で鳴戸部屋に入門し,平成14年3月初土俵。16年5月新十両,同年11月には18歳4ヵ月で新入幕をはたす。18年7月新三役小結,21年3月新関...

続きを読む

コトバンク for iPhone

沿岸魚の関連情報