社会システム(読み)しゃかいシステム(その他表記)social system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会システム」の意味・わかりやすい解説

社会システム
しゃかいシステム
social system

コミュニケーションを要素とし,環境が複雑性の落差によって境界区分されているようなシステム。ここでコミュニケーションというのは,他者の存在を前提にし,潜在的にせよ,顕在的にせよ他者へと呈示されている行為のことである。ところで,任意の行為は,たといそれが一人で遂行されている場合でさえも,潜在的には他者の存在を前提にしているので,結局は,社会システムの要素を,行為の一般にまで拡張することができる。また複雑性というのは,要素および要素の関係の仕方の多様性のことである。一般に,環境は,社会システムの内部よりも,複雑性の程度が高いものとして現れている。言い換えれば,社会システムは,包括的な複雑性からの限定・縮減として存在する。社会システムの理論の発展にとりわけ寄与したのは,T.パーソンズである。彼は,社会システムの理論を,機能主義の立場から整備している。 N.ルーマンは,パーソンズの議論を批判的に継承し,現象学的な意味概念や,自然科学の領域で展開されていたオートポイエシス・システム (要素間のネットワークを通じて要素自身を生成することができる自己創出的なシステム) の理論を取入れながら,独自な社会システムの理論を展開している。ルーマンが展開した議論は,社会システムを,要素がみずからの同一性を構成するような自己準拠的なシステムとしてとらえるところに特徴がある。

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