本末(読み)モトスエ

デジタル大辞泉 「本末」の意味・読み・例文・類語

もと‐すえ〔‐すゑ〕【本末】

本と末。上と下。また、先とあと。
草木の幹と枝葉。また、上枝と下枝。
物事根本と枝葉。大切なこととそうでないこと。ほんまつ。
物事の始めと終わり。また、始めから終わりまで。一部始終顛末
「はかない恋の―をかきくどいているところへ」〈中勘助・鳥の物語〉
宮廷御神楽みかぐら演奏で、本方と末方
歌の上の句下の句
「歌の―問ひたるに」〈・二七六〉

ほん‐まつ【本末】

物事の始めと終わり。
物事の根本と枝葉。重要なこととささいでつまらないこと。「本末を誤る」
本山末寺

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精選版 日本国語大辞典 「本末」の意味・読み・例文・類語

もと‐すえ‥すゑ【本末】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 本と末。上と下。先とあと。
    1. [初出の実例]「其長歌詞曰〈略〉嬰児の 咳語に 折箸の 本末知らず 乱糸の 乱て有れど」(出典:続日本後紀‐嘉祥二年(849)三月庚辰)
  3. 草木の根本(ねもと)と枝葉。物の根本と枝葉。
    1. [初出の実例]「遠山・近山に生ひ立てる大木、小木を本末(もとすゑ)うち切りて」(出典:延喜式(927)祝詞)
    2. 「本末(モトスヱ)をはっきりと、立てるものは立て押へるものは押へた」(出典:春泥(1928)〈久保田万太郎〉三羽烏)
  4. 歌の上の句と下の句。
    1. [初出の実例]「はづかしき人の、歌のもとすゑ問ひたるに、ふとおぼえたる、我ながらうれし」(出典:枕草子(10C終)二七六)
  5. 神楽(かぐら)拍子で本方(もとかた)と末方(すえかた)との称。
    1. [初出の実例]「もとすゑもたどたどしきまで酔ひすぎにたる神楽おもてども」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜下)
  6. 物事の始めと終わり。事のいきさつ。
    1. [初出の実例]「恋のもと末(スヘ)もなく、夢もむすばずありしに」(出典:浮世草子好色一代男(1682)三)

ほん‐まつ【本末】

  1. 〘 名詞 〙
  2. もととすえ。はじめとおわり。始終ほんばつ
    1. [初出の実例]「釈迦仏門 先嘆権智後嘆実智者 諸仏門先実後権者 欲本末唯有本故有末」(出典:法華義疏(7C前)一)
    2. [その他の文献]〔易経‐大過卦〕
  3. 本山と末寺。

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普及版 字通 「本末」の読み・字形・画数・意味

【本末】ほんまつ

根本と末端。始終。厚薄。〔大学、一〕物に本末り、事にり。先後するを知れば、則ちし。

字通「本」の項目を見る

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